日時 6月17日（金） 20:00〜
会場 サントリー小ホール
演奏 ヴァイオリン：成田達輝、 チェロ：横坂源、 クラリネット：吉田誠、 ピアノ：萩原麻未
曲目 武満徹： 雨の樹 素描�供愁�リヴィエ・メシアンの追憶に―、 武満徹： カトレーン�供� メシアン： 時（世）の終わりのための四重奏曲
昨年のＬＦＪ、今年のフィリアに続いて3度目のメシアンの「時（世）の終わりのための四重奏曲」を聴く。5月26日フィリアホールでの演奏と全く同じメンバーによる演奏。
昨年のＬＦＪでの堤剛の旗の下に馳せ参じた形の成田、吉田、萩原による圧倒的な名演の感想は下記に、（
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1941728304&owner_id=24473762）
5月のフィリアの感想は以下に、（
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1953012850&owner_id=24473762）
フィリアの演奏会ではＬＦＪの堤と新たに参加した年齢も個性も違う横坂に替わったにもかかわらず、聴く私は前年のＬＦＪの名演奏の再演を無意識に望んでいた。演奏した4人のうち成田、吉田、萩原もＬＦＪの演奏が無意識のうちに意識の中に残り同じ演奏をしようとしたのかもしれない。結果として演奏集団として方向性が定まらなず個人のプレイが目立ってしまった。
5月のフィリアの演奏の後に石巻でも演奏を行ったようだ。演奏者によるトークの中でチェロの横坂がメシアンの演奏に際し石巻で何かとても素晴らしい経験をしたようなことを話していた。この石巻での出来事が良い方向に影響を与えたようだ。4人の奏者が自分の特徴を出しながら四重奏として一つの音楽を創り出そうする姿勢により、密度の濃い演奏音楽が形作られた。
ただ、堤が加わったＬＦＪのメシアンが標題通り「世の終わりのための」という緊迫した世界・時間を表現した演奏であったのに対し、この日の若い4人のよる演奏は「世（時）の終わりのための」ではなく「世（時）の終わりと始まりのための」と改題しても良いのではないかと思うくらい絶望の後にくる希望の光を曲の中から汲み取ったかのような全く新しいアプローチによる秀でた「世の終わりのための四重奏曲」であった。
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