ローラ・ポイトラス 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 2014年
スノーデンがアメリカNSAが国民の情報を全て監視していることを暴露したのは早3年前。そのスノーデンを撮ったドキュメンタリーを渋谷イメージフォーラムで観てきました。
エドワード・スノーデンは暴露する当時CIAに勤務していて、政府の行為はおかしい、要人の諜報行為に留まらず国家機密に直接関係のない一般人の日常生活に関するデータまでをも全て集めて監視していてこれではプライバシーは守られず民主主義も思想の自由もない、と疑問に考え告発に踏み切りました。どのようなドキュメンタリーかと思いきや、告発を決意して911以来のアメリカの民主主義の危機をテーマにドキュメンタリーを撮り続けていた監督に接触してきて、告発するまでと告発後の行方を撮らせたというもの。彼が持っているデータを英国の著名な報道機関であるガーディアンの記者に渡す所まで撮影するのは、素性も何もかも公開した方が安全だからというスノーデンの考えからでしたが、何だかスパイ小説のような緊張感でした。
ポイトラス監督が選ばれたのは彼女が911以来アメリカの民主主義が危ぶまれているという危機感と信念のもとにドキュメンタリーを撮り続けてきたから。本作はアメリカのイラク占領期のイラク市民を撮った「My Country, My Country」(2006年)、アメリカのテロとの闘いに巻き込まれたイエメン人2人を撮った「The Oath」(2010年)に続く3部作として監督自ら位置づけていました。何故そんな人をスノーデンが知っていたのか、危険人物としてマークされていたからかもしれないと考えるとゾッとするものが。
ドキュメンタリーとは言えあまりネタバレしてはいけないと思いますが、観る意義の高い映画だと思いました。昨年のアカデミー賞や全米監督協会賞を始め方々でドキュメンタリー部門で映画賞を受賞しています。まだ彼女の他の作品は日本では公開されていないようですが、興味深いです。
本当は森達也が佐村河内守を撮った「FAKE」を観ようと思って出かけたのですが、其方は予約で一杯だったので代わりに此方を観ることにしました。でも行って良かったです。今週金曜日まで。
http://gaga.ne.jp/citizenfour/
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