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2016年06月02日15:29

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エッセイ集455:「”Super Mars”から宇宙へ馳せる思い」

現在、火星が地球に最接近しており、夜中に南東から南の方向に赤い色をした大きな火星(Super Mars)を見ることができます。

現在地球との距離は約7500万kmといいますから、光速(30万km/秒)で約250秒(約4分)かかる距離であり、地球と太陽の距離(光速で約8分)の約半分となります。

火星が地球から一番遠ざかって太陽の向こう側にいった場合は、地球と太陽の距離の2倍以上になり、光速で20分以上かかりますから、それに比べれば5分の1の距離。というわけで現在火星が極めて大きく見えるので”Super Mars”と呼ばれています。

その肉眼でも明るく見えるその”Super Mars”ですが、それは約4分前の火星ということになります。

また火星が他の惑星に比べてとりわけ赤いのは、大気が薄いために太陽光が褐色の地表で直接反射している(=正確に言うと、褐色以外の光が地表に選択吸収されている)からというわけです。

赤く見える火星は太陽光を反射して光る惑星ですが、太陽系外の恒星でも地球から遠い惑星ほど相対的に赤く見えます。これは「赤方偏移」と呼ばれていて、宇宙の拡大に伴い遠くの恒星ほど地球との距離が遠ざかる速度が速く、光の波長が伸びるためと言われています(=音に例えれば、近づく列車の警笛より遠ざかる列車の警笛の方が低音になる「ドップラー効果」に相当します)。

現在拡大している「宇宙の果て」は地球から約140億光年(正確には137億光年)と言われています。現在見ることができる約140億光年先の「宇宙の果て」は、実際のところ140億年前に宇宙が出来たころの姿です。

その宇宙は創成期の宇宙であり、直径が今の宇宙よりはるかに小さく(1兆分の1程度)、一方温度は一億度程度だったと言われますが、実際に現在我々が観察できるその宇宙は、(上記した宇宙の拡大による「赤方偏移」により)その色温度は可視光線や赤外線をはるかに下回り絶対温度で約3度(摂氏マイナス270度)に下がり、それが全天に均一に広がっているように見えます。これが全方向からの「宇宙背景放射」と言われている現象です。

現在観測できる10光年先の宇宙の姿は10年前の姿ですが、10年待てば現在のその姿が観測できます。1億光年先の宇宙も同様です。同様に約140億光年先にある現在の宇宙の果ては140億年後にはそれを観察できるのかもしれません。しかしこのまま宇宙が拡大していけばその時点の「宇宙の果て」は現在の「宇宙の果て」のさらに約140億光年先になり、その時点で観察できる「宇宙の果て」は280億光年前のものとなり、現在観測している140億光年前の宇宙の創成期である「宇宙の果て」と同じになり、結局実際の「宇宙の果て」は永遠に観察できないことになります。

一方、「宇宙の果て」からみたら、我々自身が「宇宙の果て」にいます。「宇宙の果て」にもう一つの文明があれば、その文明は我々の存在をどう予測・観測しているのか、宇宙へ馳せる思いは尽きません。

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