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2016年05月01日18:21

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[趣味]富士山噴火

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勝手に週刊連載TL「俺の本棚」第11回。
今まさに再読してるんですけどね。


第1回に書いた『M8』に端を発する災害パニックシリーズ物の最新刊。
首都直下地震を描いた『M8』、
南海トラフを震源とする三連動巨大地震とそれに伴う津波の被害を描いた『TSUNAMI』、
超巨大台風が首都圏を直撃した様子を描いた『ジェミニの方舟』、
そしてこの『富士山噴火』。
作中の時系列はジェミニとTSUNAMIが逆になっていて、『富士山噴火』のプロローグは物語内の現在の3年前、まさに『TSUNAMI』の被害が太平洋岸を襲っているタイミングになります。

主人公の新居見は陸自のヘリパイロットとして、ギリギリのタイミングで親子を救出、一躍英雄となりました。
しかし、まさにその瞬間、彼の家族は津波に飲み込まれようとしていたのです。
妻は行方不明、息子は遺体で発見され、ただ一人生き延びた娘とも、その事がきっかけで絶縁状態になってしまいます。
自暴自棄になっていた新居見ですが、友人の伝手で現在は富士山が間近に見える御殿場の老人ホームの施設長になっています。
そんな彼を、同級生であり地元の新聞社の記者・草加が訪ねて来ます。
「最近富士山の周辺で異変が起きている」。
そう告げた草加に伴われ、樹海の洞窟に設置した観測機器の修理に同行した新居見は、
実際に起きている異変を目の当たりにして、いつしか市長や古巣の自衛隊を巻き込む、一大避難作戦の中心人物になっていきます。
観光資源に頼る事情から、現地では半ばタブー視されている富士山噴火。
机上だけの場当たり的な対策しか取れていない現状。
そんな人間の事情など、毛ほどの斟酌もしない圧倒的な現実を前に、いかにして新居見たちは被害を最小限に抑えるのか。
自然災害が相手のタイムリミット・サスペンスとでも言うような緊張感の前には、リアルとフィクションの垣根など何の意味も持たないと言っても過言ではありません。

今、このタイミングで、必読の一冊を挙げろと言われたら、迷わずこの作品を挙げます。
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