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2016年04月07日09:02

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【美術】「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展

皆様、おはようございます。Bunkamura ザ・ミュージアムにて6月5日迄開催中の「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展に行って参りました。その感想です。



テレビやグラビア雑誌がない江戸時代、浮世絵は歌舞伎スターのブロマイドであり、最新のエンターテインメントやファッションを伝える重要なメディアでした。
本展では世界に冠たる浮世絵コレクションで知られるボストン美術館より、幕末に絶大な人気を博した二人の天才浮世絵師、歌川国芳と歌川国貞の選りすぐりの作品で、江戸の世界を体感していただきます。
二人は兄弟弟子でありながらその作風は対照的で、国芳は豪快な武者絵と大胆な構図で、国貞は粋な美人画や緻密な表現で一世を風靡しました。江戸の「俺たち」は国芳が描く任侠の世界に憧れ、物語のヒーローの姿に自らを重ねあわせ、粋で鉄火な美人に恋い焦がれたことでしょう。一方で「わたし」は、国貞が描くキラキラ輝く歌舞伎役者に熱い思いを寄せ、美しい女性の艶姿に夢を馳せたのです。本展では、江戸の国芳・国貞ファンたちと現代の私たちに共通する心情を探りながら、直感的に鑑賞できることを目指します。


この企画は何と申しましてもネーミングの勝利でしてただ単に「歌川国貞・国芳展」とだけ題したのでは、この十分の一も入らないことは疑いようも無く、場所を渋谷の道玄坂上のBunkamura ザ・ミュージアムにしたことと、「江戸時代から手紙(メール)好き」
「江戸時代から髑髏(スカル)好き」と「昔も今も」捉えた惹句にグッと引き付けられて一館貸しの単独モノは自分が忌み嫌う公開形式ですが、これだけ条件を揃えられたら言うことはありませんし、今回は購入しなかったけれども図録の充実ぶりが半端ではなく、東京国立博物館、神戸市立博物館、名古屋ボストン美術館からキューレーターの方に監修並びに執筆させた図録は会場で立ち読みしているだけでも十分な資料的価値はあると思いました。

4月18日までの期間限定ですが、二幕目の八「当世艶姿考」では国貞の美人画が撮影可能な粋な計らいとなっており、あと一週間しょっとになりましたがカメラ持参で行くことを強くお勧めします。

今回気になったのは二幕目の四章の「痛快機知娯楽絵」出品作の刷りの状態が御世辞にも良いとは言えなかったのでありますが、最初に国芳の作品の一番状態が良い「代表作」とも言える作品を並べ次いでは国貞十八番の「役者の流し目」瞬間描写とも言える数々の役者絵を観れただけでも十分にモトは取れる計算ですが、
「舞台目線」ではなく「客席目線」に眼を付けた国貞の眼力は流石ともいえるものでして松竹梅と揃った「当世好男子伝」の一連の作品を見ただけでも当時の女性が熱を上げた千両役者の力量が分かる気が致しました。

今回これを書くのに苦労したのはまたしても「目録に英語表示が無い」ことでして役者名とかの固有名詞でボストン美術館のコレクションを検索してもぞれぞれが8000枚以上ある膨大なものですので「出品作の画像」を探すのに苦労しました。

今回の画像は国貞の「八百屋お七四代目市川小團次」と国芳の「江戸ノ花 木葉渡 早竹虎吉」の二枚を除いては全てボストン美術館御本家から引っ張ってきたものでございます。





http://www.ntv.co.jp/kunikuni/
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