老子「自分の心を空っぽにする」

虚を致すこと極まれば
静を守ること篤（あ)つし
････老子16章


自分の心を空っぽにする

栄誉・財貨・地位、あるいは、「これがいい」「あれは悪い」という主義だの主張だのを捨てて、自分の心中を空っぽにすれば、つねに安らいだ静かな心を守ることができる。

では、自分の心を空っぽにするには、どうしたらいいのか。

万物並び作（おこ）るも、吾以て復（かえ）るを観る （老子16章）

この世に身を置いて生活していると、朝から晩まで、「あれは、こうすべきだ」「これは、ああすべきだ」「あれは美しいが、これはみにくい」「おれの考えに従え」「いや従えない」････。

それに加えて、どうしたら出世できるか、お金をたくさん稼げるか、人気があがるか」などと、いったい、自分自身で自分のあり方をどう考えるのかもわからず、雑草が繁茂するように、いろいろなことが、心に沸騰する。

そんなときは、自分自身の根元である大自然に還って、自然の生命というものは、「いい」とか「悪い」とかの分別がなく、流れるように変化している姿だと知る。