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2016年04月02日10:18

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読書日記

昨日「最近、読書日記書いてない」という日記を書きましたが。

直木賞から寄り道して。軽めのシリーズ物を読んでんですよ。


櫛木理宇著「ホーンテッド・キャンパス」シリーズ。


最近流行の、「ラノベじゃないのに萌えっぽいイラストの本」ですが、表紙の女の子が可愛くて気になって買っちゃった。→幾つだお前


ちなみにラノベと違って、本文中に挿絵はありません。ガッカリ。


大学のオカルト研究会を舞台にしてて。


気が弱くて臆病なのに霊感がある主人公、森司くんが。

一浪して入った大学に、片思いだった後輩の女の子がいて、彼女を追いかけオカルト研究会に入ってしまい。

学生たちから持ち込まれる怪奇事件を、日々、解決していくという。

心霊ハンター物ですが。


「なんだよ霊感あるの、この表紙の可愛い女の子じゃないのかよ」とか思いつつ読み出したのですが。

ちなみに森司くんが、片思いしてる可愛いヒロインは、灘こよみちゃんといいます。

こよみちゃんは、別に人当たりはキツくない、唯の無口少女なのですが。

頭痛持ちと近眼なので、いつも眉毛を寄せていて、怒ってる様に見えて、話しかけにくい雰囲気があるという。


可愛いヒロインなのに「彼氏いない設定」を見事にクリア!うまい!


んで。この作品、一冊に五つくらいのエピソォドが入っている短編集なのですが。


正直、1巻目の、最初の2エピソォドは、ありがちな話だし、短編だから掘り下げも浅いし、「これで新人賞取ったのかよ」と思ったのですか。


1巻の3エピソォド目から、グン!と面白くなった。

心霊現象の「因縁」に、フェイントかける様になったんだよね。


「この霊の仕業かと思ったら、別の霊の仕業だった」とか。


「霊の仕業かと思ったら、人間の仕業だった」とか。
(だが、基本的に、心霊の出てこないエピソォドはない)


心霊現象そのものを掘り下げるんじゃなくて、フェイントをかましてミステリー仕立てにするというのは、短編集としては凄く上手い。

ちょっと海外ドラマっぽくもある。


また最近の小説だから、キャラクター描写が上手い。


オカルト研究会のメンバーは、

○おっとりしてるが、抜け目ない旧家のお坊ちゃんである部長


○部長の従兄弟であり、ボディガードでもあるゴツい男


○サバサバした姉御肌の女上級生


に、森司くんと、こよみちゃんという鉄板なシフトですが。


このうち、霊感があるのは、森司くんと、ゴツい先輩だけなのですが。


頼りになるゴツい先輩は、バイトを掛け持ちしてて不在気味なので、森司くんが皆に頼られるとか、上手い。
(そして絶対絶命の時は、ゴツい先輩が、駆けつける)


また、舞台も1巻目では言及してなかったのに、2巻目から急に雪国になって、雰囲気増すしさ(笑)

話が進めば進むほど、作者の筆がノッてくるのが伝わってきて面白い。

一気にシリーズ4巻目まで読んじゃった。まだまだあるぞ。


この辺りになると、こよみちゃんを狙う恋のライバルとかも、レギュラーになり。

またコイツが、他の女にはモテまくりの、爽やかイケメン君な癖に、こよみちゃんの前だと緊張して喋れなくて、彼女に「彼、私の事、嫌いみたいですよ」とか思われちゃう、絶妙のキャラクター立てで。


お人好しの森司くんが、「灘さんは怖くないよ」みたいに、いろいろアドバイスしてあげて、すっかり懐かれちゃって。


「ありがとうございます先輩!
僕絶対、灘さんを落としてみせます!」と感謝されて森司くん複雑、みたいな。


あと、森司くんと、こよみちゃんの、近づきそうで近づかない距離も絶妙だよ!


こよみちゃんの思わせぶりな言動に、森司くんが「彼女も俺に気があるのでは!?ここは男である俺の方から告白しなければ!」と舞い上がっちゃうシーンなんか、「よせ、やめろ!お前に気のある女などいない!頼むからやめろ!」と、心霊現象よりドキドキしちゃうよ!


そんな訳で、物凄い勢いで書き下ろしの新刊が出てるこのシリーズ。

まだまだ先は長そうで、楽しみです。

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