家庭に個の真仏あり。
「菜根譚前集11」
(あなたにとって大切な人は身近にいる)。
童話『青い鳥』をご存じでしょうか?
幸せを運ぶ青い鳥を求めて主人公が各地を巡りますが、とうとう手に入れることができず自分の家に戻ったところ、自室の鳥かごでそれを見つけるという有名な話です。
「幸せ」は追い求めても手に入らないもの。むしろ、身近なところにあるのだと気づかせてくれる示唆的な物語ですね。
この「家庭に個の真仏あり」という言葉も、「身近にある幸福」を説いたもの。後には、「家庭に和やかな空気、喜びと語り合いがあれば身も心も健やかになる。これは座禅などの仏家や道家の修養法の何万倍にもまさる健康法だ」と続きます。
どこにあるともわからない曖昧な幸せよりも、身近な人との何気ない日常を大切にすることこそが、人生を豊かにしてくれる。ここで説かれている姿勢には、間違いなくひとつの真理があるといえるでしょう。
以上、守屋洋監修「菜根譚の教え」より。
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