mixiユーザー(id:8397884)

2016年02月02日21:26

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「ザ・ウォーク」

 昨年、ニューヨークへ行った際にはグラウンド・ゼロには行かなかったが、
ワールドワンはそびえ立っていた。

 ワールド・トレード・センターを綱渡りした男の実話をドキュメンタリータッチで描いている、
といえばアカデミードキュメンタリー映画賞受賞の「マン・オン・ワイヤー」はわれらが
ハマらいぶが初めて音声ガイドをつけた作品。あの映画では肝心の綱渡りのシーンの
写真はあるが映像がないのが悔やまれた。
映像がない事情は今回の映画化でよくわかるのだが。

 ロバート・ゼメキス監督はCGも3Dも「何のために使うのか」を知り尽くしている監督。
技術はこう使え、というお手本のような作品だから、今後映像を目指す人には
きちんと見ていただきたい、とこれは老爺心。

 ニューヨーク市民にさえ悪口を言われていた無機質な二本の塔が、
一人の男の綱渡りによって愛すべきモニュメントとなる。
テクノロジーと西洋合理主義文明の象徴のような建物が、命綱なしで綱渡りを
するという人間的な「芸術」によって命を吹き込まれたということなのだ。
これは単に在りし日のニューヨークを偲ぶのではなく、深い文明論である。
 美しい。
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