みなさん、こんばんは。連雀です。
去年からぼちぼちと見ている「伝説巨神イデオン」ですが、ちょっと切りの良いところまで見ましたので、ここまでで思ったことをいくつかお話したいと思います。
切りの良いところというのは、第22話「甦える伝説(総集編)」のことです。
もっとも、総集編とは言うものの、実際は冒頭の4話くらい、ソロ星を脱出するところまでですので、物語のホントの触りのところしかやってくれません。
さらに言うと、話数も22話目とちょっと中途半端な位置にあるように思うのですが、本放送時は放送日が10月3日となっており、まあクールの切れ目って感じだったのでしょうかね?
ストーリー的には、アバデデに変わってソロ・シップ追跡の任に当たっていたハルル・アジバが本国へと帰還し、代わってガンガ・ルブを駆るオーメ財団のダラム・ズバが登場するところまでとなっています。イデオンの放送開始が5月だったので、ここに中間点が来たのでしょうね。
私の個人の話しをすると、イデオンの本放送時はまったく見ていませんでした。
「機動戦士ガンダム」が実に面白く見ていたのですが、イデオンが放送されていた頃には私は小学校高学年になっており、アニメから興味が薄れていた時期に入っていたのです。
その後、アニメを再び見るようになってから、各種主な作品は後追いで見ていたのですが、なにしろ「ミンキーモモ」と「世界名作劇場」でアニオタに復帰するような人間ですので、あまり「ロボットアニメ」には興味がなかったのです。なので、「イデオン」も劇場版から入って、TV版も一応見ましたが・・・あまり良い印象を持つこと無く興味を失ってしまっていました。
それから30年以上の時を経て、今、こうして見返しているのですが・・・
面白いです!この作品!!
確かに、富野喜幸としては不遇の時代の作品ですし、全編に漂うマイナー臭はいかんともし難いものがありますが、その分、流行や華美に走らないキャラクターやメカニックのデザインといい、とても子供向けとは思えないような泥臭い人間ドラマといい、確かに本作を富野監督作品で最大の傑作と言う人が多々存在するのも理解できます。
ソロ・シップは言ってみれば「難民船」であり、偶然そこに居合わせただけの、人間性も目的も、習慣もなにもかもが異なる雑多な人々が押し込められ、生きるために不本意な形で振り分けられた役目をこなしながら生活しています。
その感じがたまらないのです!
中の人である井上瑤をして「可愛いところのまったくない、嫌な女!」とまで言わしめたシェリルだって、本来いるべきである研究施設などでは、価値観を共有できる気心の知れた仲間と和気藹々とやっていたと思うのです。しかし、あの環境下で、自分の意志を通すためには、あれほどの強さを見せなくてはならなかった。その方法に間違いがあったとしても・・・それがあのキャラクター造形になっているとしたら、それは、とても人間らしいと思いませんか?
これは一例にすぎません。強いストレス下においてソロ・シップのクルーたちは、時には反目し、時には協調しながら、あてのない逃亡生活を続けています。この緊張感は実に見せてくれます。
逆に、戦闘については、あまり期待できませんがね。
とにかく、「神の力」を有するイデオンがいる限り、バッフ・クランに勝ち目はないわけで、通して見ていてもスポンサー対策的に毎回入っている戦闘シーンにはあまり緊張感がありません。
バッフ・クラン側は色々と作戦を考えるのですが、イデオンの勝敗はストーリー上の制約下にあるのが明らかすぎて、そこへの興味が持てないのです。
ですので、本国に帰還することになったハルルが、何の実績もなく敗北続きである・・・的な自嘲のセリフを吐くのですが、それを聞いて、ああ、そう言えばそうだったな・・・と思ったくらいです。
残り半分と劇場版ですが、まだまだ物語は続きますので、これからも楽しみにしたいと思います!
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