分相応

アニマックスのドキドキ！プリキュア12話。

この回、地味に好き。

完璧生徒会長マナに憧れた純君が、マナに弟子入りしてくる。

校内活動にとどまらず、人助けに奔走するマナに、必死でついて行こうとする純君だが、日に日に疲れが溜まって行って…。


アニメだと普通「頑張れば夢は叶う」話になりがちだが、この話の裏テーマは「人間には分相応がある」なんだよね。


この話のクライマックスで風に飛ばされた帽子を、マナと純君が追いかけるシーンがあるけど。

空を飛んでる何かを、キャラクターが走って追いかけるのは、夢を追いかける象徴なんだけど、純君はここで「自分はマナみたいに走れない。マナみたいにはなれない」と気付くんだよね。

本放送時、このシーンで鳥肌が立った。


勿論、ある夢が叶わなくても、自分にあった所で頑張ればいい訳で、マナみたいになる事を諦めた純君は、自分に合った事を見つけて頑張る、というオチになるんだけど。


「努力は素晴らしい、努力は報われる」という価値観が重視されるこの世の中で、「身の丈に合わない努力は、自分を疲弊させるだけですよ」という事を描いたこの話は、すげぇと思った。

そしてこの12話はマナがメインの学園エピソードなんだけど、実は異世界から来た真琴が、学園という社会の縮図で人間と人間の関わりを学ぶ回でもあるんだよね。

「何であんな事するの」という真琴の言葉は、ファンタジー感を高めると同時に、未就学児である視聴者の代弁でもあるんだよね。


あと、純君が疲れ果てて帰る下校時、一緒に歩くのが、同じ中学のマナと六花と真琴じゃなくて、たまたま通りかかった、他の学校のありすで、「マナちゃんのお手伝いですか。それは大変でしょう」とサラッと言わせちゃうとか、相変わらずキャラクターの使い方が上手い。