<strong>
《漁港の肉子ちゃん／西加奈子》</strong>
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男に騙され、捨てられるたびに、北へ北へと流れて生きる肉子ちゃん。てゆーか、そういう悪い男に惚れてしまう体質の肉子ちゃんなんですが、物語は娘であるキクりんの目を通した一人称で綴られています。キクりんは母親に似ずスゴク美人です。そして、小学生でありならがとても大人びた考え方をする女の子です。
身も心もボロボロであるはずの肉子ちゃんは、良く言えば純真で明るい天真爛漫な性格。悪く言うと、空気の読めない無頓着な鈍感女性。あだ名の通り巨漢で、どの町に流れ着いても大声で大阪弁を話す超天然系のアラフォーです。キクりんはそんな母親を恥ずかしいと思いながらも慕っていて、いつも寄り添うように暮らしています。まわりの人たちも、いつもやかましい肉子ちゃんをウザったく思うどころか、逆に元気をもらっています。だから、母娘にとても親切です。肉子ちゃんの底抜けの明るさは、人を魅了する力を備えているのです。
表紙は著者ご自身が描かれたクリムトの�爛瀬淵┃瓩任垢�、この絵の意味は物語の後半になってわかってきます。笑わせて、泣かせる、まるで松竹新喜劇のようなお話でした。まさに�狄誉犬魯�ローズアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見ると喜劇だ�瓩箸いΩ斥嫩未蠅両�説でした。
べそかきアルルカンの詩的日常
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べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
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