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2015年12月23日21:56

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小説「魂の駆動体」読了

私の場合、どんなものでも大抵前後にきっちり「伏線」があります。

結婚式前に読もうとこれの他1冊購入し、グッドラックと改も用意してました。
しかし、結果的に選んだのはこちら。
で、先週は「シュタインズゲート0」の情報も手に入れててですね。

何の事前情報もなく読み始めたこの「魂の駆動体」について伏線を回収してきました。本日。

一つ目は「シュタインズゲート」にも出てくる主題であり、結婚式の二次会で何故だか新郎の弟(彼が高校時代からの知り合い。随分大きくなってた)が話題にでたのが「にちゃん」の「未来から来た男」の話。
精確にはジョン=タイターではなくて、パーソナルタイムリープ、意識のみ過去に飛ばす方法と言う奴。

もう一つは、私がビートを手に入れたということ。

魂の駆動体の主人公は、決してかっこいいアクション俳優ではないのです。
リタイアした、ちょっと車の好きだった男。
彼の友人である子安。
初めはこの二人で、ちょうど多分、私と世代が近いか、親くらいの世代にあたる経験を持っていて、今から約100年後くらいに実現しそうな世界に住んでいる。

そんな男の話。
彼は、結果的に車を自分で作ろうとする訳ですが。

まあ読めば読むほど(ミニストーリー(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E2%80%95%E5%B0%8F%E5%9E%8B%E8%BB%8A%E3%81%AE%E9%9D%A9%E5%91%BD-%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%A1%E3%83%AD%E3%82%A4/dp/4544040019)という実在の書籍も劇中で出てくる)「自動車」ならぬ「クルマ」への男の思いというか、作者神林氏の感覚というか。

思い入れ半端なくなりますね。
色々あって、彼が作ろうとしたFFの小型車は……まあ詳しくはかけませんが、クルマそのものは生み出されます。

これがまた凄いシンクロするんですよね。

劇中、自動運転が進みすぎて(1995年の作品なので、やや解釈が異なりますが)日本が世界で最も速くシステム化が進み、文字通りの自動車が存在し、個人でクルマは所有できるものの、走らせることができなくなった近未来なのです。
ミニストーリーを見て、自分でスケッチし、子安と言い合いながらクルマを設計していく……


タイトル「魂の駆動体」、劇中「自動車」と「クルマ」の呼び方、これをもし過去に読んだとしても記憶の彼方にほっぽるようなそんな代物。
いまだからこそ、読んで価値ある、そんな感じの作品でした。

うーん。相変わらず「出会うべき時に出会う」もんだとつくづく思いました。
神林氏の作品はいずれも読みやすく傑作揃いなので、小説がちょいと苦手という方にもオススメしたい。
みんカラを見てる方なら迷わずこの「魂の駆動体」を手にとって読んでもらいたい。
きっと多くの方が、主人公の「クルマに惹かれていく」部分というものに共感できるのではないかと思います。

久々に「先が見えない」不安と、主人公への共感で読む手を止められませんでしたね。
良かった。
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