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2015年12月21日16:54

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【美術】驚愕の大展覧会「水―神秘のかたち」展(上期)

皆様、お今晩は。サントリー美術館にて来年の2月7日迄開催中の驚愕の大展覧会「水 -神秘のかたち」の1月11日迄開催の上期を観て参りました。その感想です。

水は、あらゆる生命の源であるがゆえに世界中でさまざまな信仰を生み、祈りの対象ともなりました。特に四方を海に囲まれ、かつ水源が豊かな日本においては、自然崇拝と相まって、水のもつ精神性が発展したようで、日本語に信仰背景があることを連想させる水の慣用句が多いことや、水による潤いが精神にも及ぶ発想があることに、一端が示されるでしょう。
 本展は、水にかかわる神仏を中心に、その説話や儀礼、水に囲まれた理想郷や水の聖地など、水を源とする信仰に根ざした造形物を、彫刻、絵画、工芸にわたって展観することで、日本人が育んできた豊かな水の精神性を浮び上がらせようとするものです。特に篤い信仰を集めた龍神は、国宝「善女龍王像(ぜんにょりゅうおうぞう)」など優れた造形性を有するものが伝わり、龍神の持つ神秘の玉―「宝珠(ほうじゅ)」に関する作例とともに、本展の見どころの一つとなります。若水を汲む新春に、清らかな水が生んだ神秘のかたちをお楽しみください。

「水と生きる」がサントリーのコピーみたいなものですが、それが偽りでないことが明白に解る素晴らしい展示でありまして、内容的には東京国立博物館の特別展でやっても何の不自然も無い国宝・重文の綴れ織り。

まず入って驚くのが展示が水流紋を施した銅鐸からはじまっていることでして、入って右手の壁には上期の目玉である『日月山水図屏風』が飾ってあり現物をお目にするのは初めてですが、やまと絵の傑作と言う評価に偽りは無く高価な岩絵具が盛り上がっている程の厚塗りにビックリ!これは図版では解らないものでして現物を直に目にすることの大切さを学んだ気が致します。

この作品は大阪の金剛寺からの借りたものですが、東京・京都国立博物館、門外不出の十一面観音像を快く貸し出した三重のパラタミュージアム、愛知の徳川美術館や、シブチンの根津美術館、意外なところでは龍谷大学龍谷ミュージアム・大宮図書館等、借りだし先だけで軽く50館は越える勢いに本体よりも「どこから借りたのか?」が気になる自分にとっては驚喜乱舞の世界でして、ただ借りただけでは無くて「よくこのレヴェルのものを貸して下さったなぁ」と会場を廻る度に舌を捲きました。

今回のもう一つの特色の一つとして「神道美術」の傑作が揃っていることでありまして、伊勢神宮遷宮の資金集めとしてトーハクで開催された驚愕の大展覧会であった「大神社展」再びと言う感じで男神座像・女神座像のみならず和歌山県丹生都比売神社から至宝の一つである鎌倉蒔絵全開の傑作『琵琶』や奈良の大和文華館からは『吉野御子守明神像』、そして鶴岡八幡宮からは『住吉神座像』等普段お目に掛かれないようなレア物多数、そして仏教美術も負けてはいません。江戸時代を代表する奇想の仏師木食仏と円空仏が二大競演!!!
そして三階の極めつけの名品が『伝源頼朝像』すら凌ぐイケメン仏画『善女龍王像』が高野山から東下りでやってキター!

最後の締めにはサントリー美術館が集めに集めた「水関連美術」が「淡水系」のみならず『厳島三保松原図屏風』という「海水系」も花開く様は圧巻でして本展示を5つ星にしないでどうすると言う事で堂々の必見展覧会として強く推薦させて頂きます。

http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2015_6/index.html
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