週末土曜はいそいそと新宿へ。
紀伊国屋には往年の舞台を観ようと年齢層が高かったですな。
熱海殺人事件 @ 紀伊国屋ホール
往年のつか事務所の風間&平田コンビをむかえて、つかのホームである紀伊国屋と満貫そろっての熱海。
でも・・・いまの風間演じる木村伝兵衛部長刑事はキレがあるのだろうか?それだけが不安なものでした。
ワシ個人はつかさんは往年のつか事務所時代には間に合わなかった世代で、やっと観られたのは89年につかさんが演劇活動復活を宣言した岸田今日子スペシャル「今日子」からなものでつかを語るにはちょっと負い目もある。
それでも「熱海」は塩見三省、池田成志、阿部寛、黒谷友香、山崎銀之丞、馬場徹と木村伝兵衛を観てきており、どれもがマジキチガイとしか思えないほどのキレっぷりで自分の本性をむきだしにしたために醸し出される後半のカタルシスに酔いしれてきたものです。
風間さんはおそらく往年はこのキレっぷりを出していたと思うけど、いまやどこか守りに入っている芝居で、どこか前のめりになり空回りしたような木村伝兵衛だったかな。
演出は劇団新感線のいのうえさんで、以前にもSMAP吾郎ちゃんと緒川たまきが出たつかさんの「広島に原爆を落とす日」が素晴らしかったのですっごく期待をしていたのだが、ちょっといじりすぎで思いっきりぬるま湯な印象でした。
あと田舎者との格差じゃいまどきひと殺さないし、その辺の説得力がうすい。
後年のつかさんのヴァージョンだともうすこし大山金太郎の動機は描かれていたのに
一番許せないのは終盤にながれるのが「パピヨンのテーマ」から「ゴッドファーザー愛のテーマ」になってたのはまだいいけど、クライマックスに大音響でながれるチャイコフスキーは「白鳥の湖」じゃなくてやっぱりピアノ協奏曲1番でしょう!!
風間さんもこのクライマックスのセリフやや噛んでるし、カタルシスなぞなく不完全燃焼でしたわ。
ところで婦警さん役で出ていた元ヅカの愛原実花さん、このひとつかさんの実の娘さんなんですね。今回のアンサンブルのなかで唯一この芝居に合ったキレをもってましたな。
やっぱり阿部ちゃんの伝兵衛はネ申ですな。
作 つかこうへい
演出 いのうえひでのり
木村伝兵衛部長刑事:風間杜夫
熊田留吉:平田 満
片桐ハナ子:愛原実花
大山金太郎:中尾明慶
ところでアンディ・ウィリアムスの歌う「パピヨンのテーマ」ってiTune shopにないのね
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