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2015年12月06日21:40

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「耳と目の言葉」に

吃音悩み 障害認定求め法廷に
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3746312

「この人、今迄、本当に辛かっただろうな」・・・この記事を読んで、最初に浮かんだ言葉はそれだったのでなあ。

35歳からずーと17年も、所謂「住宅リフォームの飛び込み営業」で糧を得て来たんで、「言葉の大切さも、或る意味かなり理解出来る」とは自負してる。なんせ、「その恩恵もたっぷり受けて来た」から。1契約で数十万の報酬が存在する業界なんで。

だから、「誰かに、言葉が正確に伝えられない」って、「物凄えーハンディキャップ」だと思うよ。

稼業柄か、「人の社会性の基本は、相手に届けられる言葉しかねえ」のは、熟知してる積もりさ。

で、意外かも知れねーけど、俺の暮らす業界は、「吃音者の割合が、結構多い」んだよな。感覚的には「ざっと半数」かなあ。

勿論、この人のよーに深刻なのではねえで、「軽度の」なんだけど。てか、立て板に水みてーにスラスラだと、訪販営業の場合、ルートセールスや店頭サービスとかと異なり、却って「こいつは詐欺師かも?」と、要らぬ猜疑心を相手に抱かせ易いから。

寧ろ、たどたどしい方が、「この人はナニが言いたいのだろう?」と、より相手に関心持って貰い易い・・・因みに俺も、稼業時には、意図的に活舌を悪くしてるよ。人って、「自身よりアタマの回転が早そーな相手には、本能的に防衛本能が働く」ので。

そのせいか、この業界、ルートセールス何十年のベテランが来ても、「結果として全く売れない」なんて事態も多いよ。その一方で、何年も引き篭もってた人が、物凄えー売上出したりもする。だから、「基本的に、日本語喋れれば、前職や前科問わずに、誰でも即採用」に為ってるのは、そいつが理由さ。

因みに、これも業界用語なんだけど、「耳の仕事」「目の仕事」ってな言葉が有る・・・こいつは、営業のセオリーのひとつで、「相手の興味をどっちに惹き付けるか?」って部分でな。

前者は「トーク」さ。そして後者は、カタログやパンフとかの「印刷物」だ。大半の人は「どっちかに集中したい」からね。

だから、優れた営業は、これを絶対に混合させない。ナマの会話では親近感のみ強調し、商材の性能に関しては、活字を読ませよーとする。

勿論、これにも「個人差が存在する」が、その辺りは、絶妙に調整出来たりすんだ・・・ま、「見知らぬ家のピンポン押して、そっから出て来た誰かと、何でも良いから5分以上会話出来る才能」なんざ、ドコの誰が宿してるのか、全く不明なんでなあ。

まあ、翻って、この記事の話題に戻るけど、俺は、もし、この社会が、このお人に「目の仕事を提供出来たら?」とも思うんだよ。

三島由紀夫や野坂昭如もそーだが、実は小説家には吃音者が結構多い・・・直に相手に発する言葉が少ねーなら、文章でそいつを芳醇にしてえ、別な才能が発達する可能性も有る。

でも、こいつは所謂「サバン症候群」同様に、全ての障害を抱える人が、所持してる特殊な能力では勿論無い。

但し、この裁判の結果は、心底期待してるぜ・・・この国の障害者や難病認定の、全てが、「この人達が可哀相」ではねーで、「その障害を抱える人の、血を吐く訴えが、行政を変えて来た歴史の連続」だったのだからさ。

最期に、このお人を好きに為り、家族に為れた奥様と、お子さん達に、最大の尊敬を捧げてえよ。

「言葉がろくに伝わらねーでも、人はどーにか繋がれる」ならば尚更なんでなあ。
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