砂浜の小さな貝殻がきらめく。
紫色っぽいのが多いな。
カラフルな死骸たち。
砂浜も陽をあびてきらめいている。
小さな貝殻たちが波によって、さらに細分化され微分されて、
硬質な光の破片となり、砂浜を覆いつくしている。
ふうう、海はいいなあ。
お城の見える砂浜ってあまり無いよなぁ。
シャベルで砂浜を掘ってるおじさんがいるし、
(何の理由で??)
しかも、近くによると、作業を停止して
なんもしてないふりをしてるし・・・
浜から上がると、
駐車してた車が急発進するし、(なぜだ?)
浜辺のおじさんは、また砂浜を掘りはじめる。
屍体を埋めるのかな?まさか
埋蔵金なのかな?まさか
ともかく、水道管の工事ではない。
歩いてるとポスターがあり、
図書館で竹久夢二を展示してるらしいんで
行ってみるか。ひまだし。
夢二はそんなに好きではないけど、500円の暇つぶし。
これが大当たり。
大正って、1920年前後なんだけど、
アールヌーボーからアールデコまで
キラキラとヨーロッパの光を乱反射していて
まあまあ面白い時代なんだな。
そこに、シュールや構成派や未来派まで輸入・加味されてて
浮世絵趣味なんかもプリプリ生きてて、
さらに怪奇や病的幻想やエログロへの崩れもある。
小さな貝殻たちの小さなきらめき、
マッチ箱、ポスター、本の装釘・・・
大正時代の小さな美のカケラの砂浜。
興味を引いた品々、
藤島武二のちょっとルノワール方向のカレンダー、
古賀春江の少しポップな表紙絵、
岸田劉生の挿絵(女の子の頭がつねに横長)、
ラウル・デュフィの書いた漢字、
鏑木清方、小村雪岱らの口絵、表紙絵、
(このあたりの日本画系は美しい日本だった)
辻潤の雑文集『ですぺら』(表紙は未来派風?)
萩原恭二郎の詩集『死刑宣告』のロシア未来派風。
ヒステリーの研究書のアールヌーボーな装丁。
13日まで。これはおすすめです。
図書館は唐津駅南口すぐ。
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