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2015年10月31日13:00

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[LW]「元原発技術者が伝えたいほんとうのコワさ」。

「未来につなげる・東海ネット」開催の、
元原発技術者・小倉志郎さんによる講演。

小倉さんは、1967年から日本原子力事業(株)で働いていた、バリバリの原発畑の元・技術者さん。

お話の中で特に印象的だったのは、「専門家が一番無知である」という趣旨の言葉。
どういう事かというと、「自分の専門以外の部分については素人並みの知識しか持っていない」のが「専門家」だというのだ。
つまり、電気系統なら電気系統、配管なら配管というように(それすらも自分の関わった範囲内だが)、局所的な知識はあるけれど、
全体を通して把握している「専門家」など皆無だという事だ。

講演の後の質疑応答でも、ご自分の専門とする部分については答え、それ以外についての質問にはハッキリと「専門外だからわからない」と答えておられた。
知ったかぶりをする「専門家」が溢れる中で、実に立派な態度だと思う。

しかしながら、である。
小倉さんに限った事ではないかもしれないが、原子力事業に携わってきた方々の中には、未だに現実を直視できていない部分、
はっきり言うと幻想わ抱えたままの部分があるように見受けられた。

僭越ながら私がぶつけた質問でそう感じたのだが。
「現在私の年齢(間も無く36歳)と同程度、あるいはもっと古い原発が未だに現役で存在しているが、
建設当初からこのような長期での使用は想定されていたのか?」
この質問に対して小倉さんからは、
「当初は30年を予定されていたが、40年使用できるように作れ、との政府の方針により40年使用できるものを設計した。余裕をもって計算してあるから、まだ使える」
という趣旨の回答をいただいた。
つい一週間前の話である。

これは何を意味するか。
つまり「設計当時、明らかに検証されていない放射線による経年劣化の加速」についての考察など、今でも全く頭にすら無いのだ。

「馬鹿でかい精密機械」であるはずの原発。
それを作る者、運用する者の中に、全体を把握する者は皆無。
仮に中心部にあるパイプ一つ破損したとして、それを直す術さえない。
近付けないのだから当たり前の話だが。

こんなものを有難がって長年推進してきたのかと思うと、背筋が寒くなる、どころの話ではない…。
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