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2015年10月25日15:30

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徒然読書日記15-53《いい感じの石ころを拾いに/宮田珠巳》

<strong>《いい感じの石ころを拾いに/宮田珠巳》</strong>
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子供のころ、道ばたに落ちている石を拾って、おっ、この石なかなかイイ感じだなと心惹かれ、ポケットに入れて帰ったことはありませんか?ボクはあります。そのころの気分は、大人になったいまも心のどこかに残っていて、そこらに落ちているなんでもない石ころを集めてみようかなぁなんて、心密かにたくらんでおりました。そんな折、志を同じくするちょうどイイ感じの本があったので読んでみました。
著者もそこらにただ落ちている石ころに魅力を感じて、ただ石ころを拾うためだけに、日本各地の川や海に出かけておられます。珍しい石や、鉱石収集とかいうのではなく、器に例えるなら、柿右衛門やマイセンでなく、普段使いのものの中に美を見出した柳宗悦のごとく、無価値な石ころにワビサビを求めようとしておられました。んが、なんとなく踏み込んだ石の世界のようでありましたが、石はいまちょっとしたブームのようで、森ガール、山ガールならぬ、石ガールなんて女子まで存在する始末。著者は高値で売買される石にも徐々に心奪われていきます。それは、本来の道筋を逸脱し、人としての生きざまにもかかわることのように思えますが、石の世界を知れば知るほど、著者の気持ちは情けないくらいにグラグラ揺れ続けるのでありました。
そんなこんなで、ボクも本書を読んで刺激され、イイ感じの石ころがあれば、拾って集めてみようかなぁなんて思いが再びフツフツと湧き上がり、闘志に火がつきメラメラ燃え上がってしまいました。なんてたって、石ころにはロマンがありますもんネ。ところが、あらためて気づいたのですが、町中に石は落ちていないのです。道はすべてアスファルトで舗装され、川岸はコンクリートで塗り固められ、石ころがひっそり暮らす場所なんて、いつの間にか都会から消えてしまっていたのです。びっくりです。ボクがいま石ころ以外に心惹かれるものとして苔があるのですが、苔はまだ町のあちこちで見かけることがあります。しかし、石ころが落ちていないなんて・・・。ときどき駐車場に砂利が敷かれているのを目にしますが、あれはあくまで砂利であって、石ころとは区別したいところです。砂利にロマンは感じられません。やっぱ、イイ感じの石ころを拾い集めるには、山や川、海辺を探索しなければならないのかなぁ。都会の石ころに明日はなさそうなので、また山歩きを再開するとしよう。山に行けば川もある。山も川もあるということは、山ガールもいれば、石ガールもいるかもしれない。なんだかロマンの気配がする・・・かも。


べそかきアルルカンの詩的日常
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べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
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