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2015年09月22日23:49

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アド・テクノス『走れ!パットン』の『プラハ』

 『走れ!パットン』、最後の一つはナチス・ドイツとの戦いが終わったその時に、アメリカとソ連が「エルベの誓い」などといううわべのきれいごとをかなぐり捨て、チェコの首都近郊で新しい戦争を始めてしまうという仮想戦を扱った、『プラハ』です。

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 ゲーム開始時、マップ中央のプラハには、3ヘクスにそれぞれ1ユニットずつ、あわせて3ユニットのチェコ愛国ゲリラがいるだけです。

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 ここへ、まずマップ南西端からアメリカ軍が登場します。このアメリカ軍ですが、先んずれば人を制すとの言葉もあるように、強行軍でプラハを目指すべきだと思います。序盤のアメリカ軍は補給も十分ではなく、消耗状態になった部隊をなかなか通常状態に戻せませんが、それでも先にプラハを占めておくことには換えられません。

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 そこへ、マップの北端と西端からソ連軍が登場してプラハに向かいます。こうして、マップの端々から米ソ両軍が次から次へと現れてはチェコの国土を蹂躙してまわるわけです。ちなみに、ゲリラのみなさんはアメリカ軍側なので、ソ連軍を迎え撃つため北と東に進みました。
 これなんかひどい話で、ゲリラなんて街や山の中へ引き籠もっているものなのに、ソ連軍を足止めするため、南下してきた戦車部隊の矢面に立たされたのです。ろくに対戦車装備もないのに街道で戦車を迎え撃たされましたのですから、こんなもの鎧袖一触、即座にミンチにされて終わりのはずなのですが、みごと相討ちに持ちこみました。火炎瓶投擲と地雷を抱えての突撃でなんとかしたのでしょうか。
 ソ連軍にしてみれば、ゲリラと正規軍では引き合わないような気もしますが、ゲリラといっても包囲しないままではなかなか除去できなかったりもしますから、初手でいきなり飛ばせるならそれはそれで悪くありません。

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 プラハの命運は風前の灯火のように見えます。

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 しかし、プラハへ先に入城したのはアメリカ軍でした。ソ連軍はプラハを奪うため総力をあげて攻めかかります。ところが、攻撃後に消耗してから前進したところを反撃され、さらに手薄になっていた側面を衝かれて大損害を被り、北からの攻撃は頓挫してしまいました。

 入れ代わりにプラハへ迫ったのが東からの攻撃で、こちらは歩兵を主体としていたため、戦場への移動に時間を要しましたが、攻撃後も消耗状態にならないため反撃で押し返されることが少なく、補給を要しないため途切れず安定した戦闘力で攻撃を続けることができたため、ついにはプラハ前面へと到達します。

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 しかし、ここでも損害がかさんだことから攻撃は止まり、やがて、全10ターンが経過したことによりゲームは終了しました。両軍が占領している都市と町について、都市は一つにつき5点、町は一つにつき1点ずつ加算し、合計点数の多い方が勝利します。結果はアメリカが24点、ソ連は12点、ダブルスコアでアメリカの圧勝です。
 マップ上に都市は5つと町は28ありますから、計算が合っていないようにも見えますが、このゲームは敵部隊に隣接されているとその都市や街は占領したことになりませんから、両軍の得点の合計は53点より少なくなります。

 マップ上にある都市5つはすべてアメリカ側にあります。先に占拠されてしまうプラハの奪取は難しいので、ソ連軍としてはせめてヘクスのうち2ヘクスには取りついて、アメリカ軍による占領を阻まなくてはなりません。アメリカ側にある町は8つ、これでアメリカ軍は23点、ソ連軍が残りの町をすべて確保したとしてようやく20点。それでもまだ勝てません。

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 ちなみにこちらは、各ターンごとの両軍の潰滅ユニットでして、やはり、ソ連軍の損害は重篤といえます。第5ターンの損害は北からの攻勢が撃退された際のもので、第7ターンの損害はさらにその側面への攻撃が成功したときのものです。
 第9ターンのギースラー戦闘団はせっかくドイツは戦争が終わったのに、アメリカ陣営に加わって戦場へ到着した途端、支援砲撃で混乱し直後の攻撃で潰滅しました。

 今回のソロプレイで、ソ連軍はプラハに固執しすぎたため、北からの攻勢の手薄となった側面を衝かれ、この方面の町をいくつか奪われてしまいました。

 プラハにこだわらず、兵力を他に振り向けるとしても、少なくとも隣接ヘクスまでは進まないと話にならないので、こちらへも相応の戦力をまわさざるをえません。結局、ソ連は不利かなあと思っています。

 とは言いながら、アメリカを担当した対戦で負けたことがあるのですけど、その時はプラハにいた部隊が航空支援で吹き飛ばされ、中央を打通されてしまいました。結局、それもプラハ次第だったわけで、あえてここに重点を置かずソ連が勝ちを目指せる方法があるのか、いずれまた考えたいと思っています。

 ゲームジャーナルで再版された4つのうちのこの2つ、『バストーニュ』と『プラハ』はどちらもマップ中央にある拠点をめぐって両軍がぶつかるもので、ゲームジャーナルには「特にシステムの特徴を引き出すこの2つを選んだ」とありますが、おそらくメジャーなテーマを選んだのであって、展開のバリエーションはあまりありません。

 ただし、スケールが大きくなっているため、指揮範囲や補給範囲が短縮されており、特に指揮範囲は『バストーニュ』の5ヘクスから『プラハ』では2ヘクスになっているので、例えば司令部に隣接したところから攻撃しないと、戦闘後前進により進んだ先では消耗状態から通常状態に戻せなくなってしまうなど、かなりタイトに部隊を運用せねばならず、けっこうプレイの感触が違います。

 あと、最初は少ない部隊が次第に増えながら戦闘も佳境を迎えていくので、ユニットをまわす負担が少なく、ターン数が10と比較的少ないのもあって、本当に半日あればプレイ可能な手軽さも特徴といえます。

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