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2015年09月21日17:34

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アド・テクノス『走れ!パットン』の『バストーニュ』

 『走れ!パットン』はおもしろすぎるやんけ!とばかりに余勢を駆って『バストーニュ』にもとりかかりました。
 ところで、これに含まれる4つのゲームのうち、『バストーニュ』と『プラハ』はゲームジャーナルから再版されてまして、DTP以降のリメイクだけあってこちらの方がグラフィックは細かな仕上がりになっており、特にユニットの見やすさは向上しています。マップのレイアウトは、チャート類と分割してあるアド・テクノス版の方が机の狭い私にはありがたいですけど。
 今回のソロプレイには、リメイク版の方を使ってみました。

 このゲーム自体はかのバルジの戦いの最中、ベルギーの都市バストーニュを包囲して攻略せんとするドイツ軍と、これの救援に向かったアメリカ軍の戦闘をテーマにしています。

 開始時点ではマップ中央にあるバストーニュの周辺に守備隊がおり、ドイツ軍はまず手持ちの軍をこれを攻略する部隊と、南方から救援にやってくるアメリカ軍へ向かわせる部隊に振り分けなければなりません。
 ここでありがちなのは、救援軍の足止めに歩兵、攻略部隊に戦車を割り当てることです。これは、初めてプレイした時に私もやってしまいましたし、私がアメリカを担当した時に初プレイの相手の方もされてましたが、このゲームでは攻撃を実施した戦車を含む機械化部隊は消耗状態になって戦闘力がほぼ半減します。しかも、この時期のドイツ軍にはろくすっぽ補給はありませんから、最初だけそこそこの攻撃をした後、低下した戦力で攻略もままならないうちに敵救援軍の襲来を受けてしっちゃかめっちゃかになるわけです。
 なので、バストーニュ攻略には歩兵を向かわせ、戦車で救援軍を防ぎます。

 具体的な割り振りですが、セットアップ時のドイツ軍の兵力は以下のようになっています。

第26国民擲弾兵師団      9ユニット 27戦力
第5降下猟兵師団        9ユニット 27戦力
第901教導装甲擲弾兵連隊  2ユニット 10戦力
第15装甲擲弾兵師団      7ユニット 29戦力
総統擲弾兵旅団         3ユニット 14戦力
第914国民擲弾兵連隊     3ユニット  9戦力

 ちなみに、司令部はカウントしていません(以下、すべて同じ)。
 次いで、バストーニュを守っている部隊は次の通りです。

第101空挺師団          16ユニット 53戦力

 なお、上記にはいっしょに包囲された第10機甲師団の一部と第705戦車大隊を含みます。
 そして、第1ターンにマップ南端から登場してくる救援軍は以下の通り。

第4機甲師団            6ユニット 33戦力
第9機甲師団            4ユニット 18戦力
第26歩兵師団            9ユニット 27戦力

 それやこれやで第26国民擲弾兵師団と第5降下猟兵師団の18ユニット54戦力でバストーニュ守備の16ユニット53戦力に向かわせ、第901教導装甲擲弾兵連隊と第15装甲擲弾兵師団と総統擲弾兵旅団と第914国民擲弾兵連隊の15ユニット62戦力を救援軍19ユニット78戦力へあてることとして、下の画像のように配置しました。

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 さて、いよいよゲームが始まってマップに登場してきたアメリカ軍は、まず弱体な第914国民擲弾兵連隊が守備に就いているマップ東端に注目し、そちらへ第9機甲師団を差し向けます。その反対側には第4機甲師団と両翼を戦車に分担させ、強力なSSが守っている中央には第26歩兵師団を置いてその間を埋めさせました。

 第914国民擲弾兵連隊はこの攻撃を受けてたまらず後退します。そのどさくさに司令部を失い、部隊は混乱してしまうと、すぐには回復できず再編成状態をへてからようやく立ち直るような体たらくで、いきなり窮地に見舞われます。

フォト

 しかも、マップ北端の補給源から盤外へ突破されると、ドイツ軍はそこから西の補給源も無効になってしまうので、つまり、ここでの突破はすべての補給源の喪失を意味し、以後、ずっと全ドイツ軍が補給切れになってしまいます。
 といって、戦線はどこもかつかつで、手の施しようはないなあと思っていたら、第914国民擲弾兵連隊の潰滅と入れ代わりに第167国民擲弾兵師団6ユニット12戦力が増援で登場し、どうにかこれで小康を得るました。

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 同時に反対側の西端にも第1129国民擲弾兵連隊2ユニット4戦力が登場します。しかし、この前後にじりじり北へ押し上げられ続けていた戦線は、ついにバストーニュ包囲環にあと数ヘクスへと迫っていました。逆包囲を懸念したドイツ軍は、バストーニュの隣接ヘクスまで進んでいた包囲を断念し、解囲の断を下して部隊を撤退させます。
 しかし、バストーニュの両サイドのヘクスは維持して部隊の脱出は阻みました。

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 一方、この後のアメリカ軍は東方において第35歩兵師団9ユニット18戦力の増援を受けとりますが、取り残した総統擲弾兵旅団の1ユニットが、補給路を扼さんとしたため後退してその掃討にかかるなど手間取って前進ははかばかしくなく、また、西方へ派遣した精鋭第4機甲師団を中央へ呼び戻すにあたって代わりの部隊の手当てがスムーズに進まず、こちらも遅れてしまったため、せっかく包囲を解いたバストーニュの周辺からドイツ軍をなかなか駆逐できません。

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 その間にも、支援砲撃で隣接ヘクスのドイツ軍部隊が混乱した隙をついて、バストーニュから第101師団司令部を脱出させ、代わりに強力な部隊を送りこんで防御戦力の増強しましたが、相変わらず隣接ヘクスから敵を排除できないいるうち、ついにドイツ軍には増援として総統護衛旅団3ユニット10戦力、さらに次のターンには第1SS装甲師団8ユニット34戦力がやってきます。

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 これらの部隊はさすがに強力で、ずっと保持していたバストーニュもさすがに陥落しました。アメリカ軍にはこの後、第11機甲師団6ユニット21戦力の増援がありましたが、膠着状態に陥った戦況を打開することはできないまま、ついにゲームは終了してしまいます。

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 このゲームはスタックが2個までなので、過度の戦力の集中ということが起こらず、重要拠点をめぐって両軍が強力な部隊をかき集めて隙間なく戦線を作って対峙すると、比率が立たなくなってにらみ合うことになりがちです。

 ちなみに、勝利得点は両軍ともバストーニュを軸にした補給線の構築には失敗しており、そちらの得点はなし。それ以外では、アメリカ軍はウィルツの保持のみのわずか2点。一方、ドイツ軍はバストーニュの保持で5点、補給源4か所の保持で8点、町ヘクス6か所の保持で6点、合計で19点。ドイツ圧勝でした。

 とりあえず、アメリカは点数的にバストーニュを保持してさらに進撃しないと話にならないみたいです。アメリカ軍はバストーニュの包囲を解き補給線を通して10点、さらにウィルツの保持で2点、計12点。ドイツ軍は補給源をすべて保持して8点、バストーニュより北の町を保持して6点、計14点。アメリカ軍はここからドイツ軍の得点を1点奪うか、2点削ってようやく引き分けです。勝つならさらにその先へ行かなければなりません。

 では、なぜドイツ軍はバストーニュ占領に成功してしまったのか。
 ドイツ軍は序盤、かなり危機的な状況が続いていました。後から考えると、いろんなことから間一髪逃れてどうにか頭が体から離れないまま駆け抜けた感じです。どうも最初のバストーニュ攻略と救援軍足止めのバランスが無理めだったにも関わらず、これが運よく成功してしまったために、これだけの大差がついてしまったのではないでしょうか。

 あとはやっぱり、アメリカ軍の攻撃が手ぬるかったのでしょう。ここは研究の余地がありそうです。

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