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2015年09月18日07:57

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寝たきり予防について



健康寿命のいちばんの敵は寝たきりです。
寝たきりの原因は二つ。(1)脳卒中、(2)転倒による骨折です。
このうち転倒による骨折はとくに女性に多く、男性の4倍以上です。

5年間にわたって比較的元気な高齢者で2回以上転んだ人を調査した中に、次のような報告があります。
歩行速度の遅い人ほど転びやすい。4人に1人以上の割合で転倒。
お年寄りは歩幅が狭くなりやすく、体がぶれてバランスが取りにくいからです。
足の筋力も落ちているので、歩き続けるとつまずき、体制が不安定になって転ぶことになります。
足腰を強くするとともに、バランス能力を鍛えましょう。

11)あなたの健脚度は
東京大学大学院 武藤芳照教授は足の能力、機能を健脚度によって測定しています。健脚度は次の3つによります。

(1)歩くスピード 10メートルの距離を全力歩行の速さの時間。
10メートルは横断歩道の大体の長さで、お年寄りが青信号の間にしっかり渡り きれ るかどうかをイメージしたもの
7秒以内であれば問題はありません。

(2)またぐ幅 最大一歩幅を測定します。
白い線に爪先をそろえ思い切り大きく片足を前に出した場合の幅。
電車とプラットホームの間、ちょっとした水溜まりをきちんとまたげるかどう かをイメージしたもの。

(3)昇降の高さ 40センチの踏み台を昇り降りできるかの測定。
40センチはバスの最初のステップ。筋力とバランス能力が必要。

転びやすい人(1年に2回以上転んだ人をいう)の特徴として
◆10メートルの全力歩行が遅い
◆最大1歩幅が小さい(2頁の年代別の歩幅を参考のこと)
◆40センチメートルの踏み台の昇降ができない

武藤教授は次の人も転びやすいと指摘しています。
◆肥満の人
◆動脈硬化の進んだ人
◆運動不足の人

2)深部感覚と転倒
NHK「ためしてガッテン」(H14.4.24放送)では高齢者に多い転倒は深部感覚の老化によると次のように説明していました。
深部感覚とは関節や筋肉にある体の傾きを感じる感覚です。

目を閉じて腕を伸ばして手首を曲げてみます。目を閉じているため手首を目でみていないが、手首を曲げている状態がわかります。今、関節がどの程度曲がっているか、筋肉がどの程度縮んでいるかという情報を脳へ伝えているのです。

これは関節や筋肉にあるセンサーが正しく働いているからです。
このセンサーを深部感覚といいます。

地面に傾きがあると足が傾きます。すると深部感覚は素早く関節が傾いたということを脳に知らせます。脳は転ばないよう体を立て直すよう命令します。このことがスムーズに行われることによって転倒を防ぐのです。

しかし深部感覚が衰えると、傾斜があって体が傾いても素早く脳へ伝えることができなくなります。そのために立て直しの命令が遅れて転倒ということになります。

深部感覚の老化を防ぐには、バランス能力を鍛えていること。そしてこのバランス能力の向上が転倒を防ぐことになります。

転ぶといえば段差に「つまずく」とか、すべりやすい床に「すべる」と普通考えますが、「つまずく」とか「すべる」ということのほか「踏む」という盲点があります。

東京都老人総合研究所 鈴木隆雄副所長は「高齢者の転倒は必ずしもつまずいたり、すべったりすることだけが原因ではない。意外と平らな道で転倒するというケースが非常に多い。

おそらく、目では確認できない小さな段差や障害物を踏む時に起こると考えられる」と述べています。
そして「踏んで」転ぶという原因は高齢者の歩き方にあったのです。

高齢者の歩き方をコンピュータで分析した結果、次のことがわかりました。
爪先で地面を蹴ってから踵がつくまで、その間片足立ちの不安定な状態になっています。そして地面を蹴った後、地面につくまで、わずか1.5センチメートルの高さで、するように足を運んでいます。

段差が1.5センチメートル以上の高さである場合は、意識して足をあげるため転ぶことはありません。
しかし、1.5センチ程度の小さな段差ではつい油断しているため転ぶことがあります。これはつまずいて転ぶのではありません。

深部感覚(バランス能力)が低下したためお年寄りは小さな段差を踏むことだけで転ぶことになるのです。

意識しない障害物は家の中や外にいっぱいあります。マンホール(1.5センチの厚み)、たたみのヘリの段差、床をはうコード、畳や床にある上質の紙、庭の小石……等々。1.5センチの段差は非常に気付きにくい段差です。

太もも(大腿四頭筋)を上げるための筋トレとバランス能力の強化がこれからの転倒予防のために欠かせないと思います。

3)バランス能力の強化法
菅野光男医博は日頃たたみや床で立ったり、じかに座ったりすることをくり返すことにより、バランス能力は向上するといいます。
また、壁などを補助にして体を支え、片足立ち時間を長くしていくことをすすめます。
東京大学大学院 武藤芳照教授はバランス能力を向上するには、次の「つぎ足歩行」をすすめていました。
一直線に爪先に踵をつけるようにして、ゆっくり前へ歩く練習を行います。
前進のあとはゆっくりとバックをします。
転ぶことがあるので壁の横で行ってください。
1日何回か「つぎ足歩行」を前進、バックをくり返すとバランス能力は必ず向上するはずです。


4)あなたの転倒危険度チェック
65歳以上の転倒経験者は5人に1人、そのうち55.6%の人が2回以上転倒したことがあるそうです。75歳の人の1年以内の転倒経験者は32.6%、うち半数の人が2回以上転倒をしているといわれます。

転倒による骨折は、その人の生活を一変することにもなりかねません。
倒れた本人も大変ですが、家族の負担も大変です。経済的負担も大きくなります。
次の転倒危険度チェックを行って、転倒予防を心がけてください。

転倒危険度チェック
(1)1年以内の転倒経験有り バランス、筋力の低下による。

(2)青信号の間に渡りきれない バランス、筋力の低下による。

(3)目や耳が不自由 70歳になると20歳代の視力の約1/2にまで低下します。ま た、白内障などで視力が落ちてくると小さな障害が見えにくくなります。とくに危 ないのは夕方です。
 また、視力が落ちてくると車や自転車が来てもわからず、あわてて転倒するケース も多くなります。

(4)立ちくらみすることがある

(5)脳卒中の経験がある

(6)睡眠薬・降圧剤の服用 睡眠薬や血圧の薬が効きすぎたためふらつきを起こし転倒 することも多い。
 薬を1種類の人はのまない人にくらべ転倒が1.7倍
 薬を2種類の人は4〜6倍多いという報告があります。

(7)転倒が怖くて外出できない 一度転倒をしたため歩行能力はあるが、不安で外 出ができない人があります。転倒後症候群といいますが、活動範囲が狭くなるとと もに、筋力低下、寝たきりという道を進みます。
 趣味や楽しみ等、外の人との繋がりをもつことが大切です。

(8)家でつまずくことが多い。

5)寝たきり予防の4項目
寝たきりにならないためには転倒を防ぐとともに、脳卒中の予防が必要です。
NHK「ためしてガッテン」では寝たきり予防のために4項目をあげていました。

1.血・・・・動脈硬化や高血圧を予防する。水をよく飲むこと。
高齢者はのどの渇きが遅れやすい。寝る前、入浴前にはコップ1杯の水を。

2.骨・・・・骨折しにくい丈夫な骨を作る。カルシウム不足にならないこと。
骨に圧力をかける運動、とくに歩くことは大切。

3.筋・・・・80歳、90歳、100歳を超えても筋トレによって筋力は向上する。

4.バランス・・何もしないと直線的に急降下する。今日からバランス能力向上のためのトレーニングを。

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