普段通勤は都電である。
降りる際は降車ボタンを押して降車するのでバスと同じなのだが、
子供のころはいち早くこのボタンを押したくてたまらないものだったが、
大人になってはめんどくさくなり、「誰かがそのうち押すでしょう・・・」と思うようになった。
たまに誰も押さずに停留所が近くなりたまらず押すが、降りる際にほかに降りる客がいたりするとなんか「(チキンレースに)負けた・・・」感を感じるのはなんでしょうな
日曜はお昼ギリギリまでふとんのなかにおり、お昼近くにもそもそ起きスタバに行って前日のレポを書いたり、書店に出向いたりしたのち原宿に移動。
某国営放送のホールに出向くが日曜ゆえに周りでなんかアジアの味屋台展がやっている。
その一方でちょっとはなれたところに昔ながらの焼きそばやジャンボフランクの屋台もある。
これも一種アジアの味だよなぁ・・・と思い結局ジャンボフランクをかじりながら開場するのを待つ。
ロイヤル・オペラハウス「ドン・ジョヴァンニ」@ NHKホール
前日につづきROHの来日公演、今回はモーツァルトの有名なオペラ。
全体の印象は芸達者な歌手たちの競演、合唱とプロジェクションマッピングを多用した斬新な演出で存分に楽しめました。
とにかくモーツァルトゆえに多重唱の重なりは絶品で、パッパーノの歌心ある指揮でテンポよく華やかさを存分に魅せてくれました。
歌手は主演のダルカンジェロは、以前にウィーン国立の来日でのモーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」でのグリエルモ役でも観たのですが今回はタイトルロールだけにその低音の魅力は印象的でした。
従者レポレロを演じたエスポージトもダルカンジェロに負けないバリトンをレポレロらしく器用に効かせていました。
今回のお目当て、ドンナ・エルヴィーラ役のディドナート、技術は素晴らしくすごく通る声でエルヴィーラの気の強さは伝わってくるのですが、その一方でエルヴィーラの切なさみたいなものはなく、その点では以前にワシントンで観たバルバラ・フリットリのエルヴィーラのほうが上だったかな?
結構上手かったのは、あまりカーテンコールの拍手が少なかったけどドンナ・アンナ役のシャギムラトヴァ。
目が醒めるようなソプラノでしたね。顔がまんまるでほかの女声に比べると容姿で損している気がしますが、上手かったです。
来年のGWにメトロポリタン・オペラで「後宮からの誘拐」に出るみたいだけど、これだけ抜群にモーツァルト歌いこなせるのなら足向けてみようかな?
対するドン・オッターヴィオ役はヴィラゾン。
一時期はもてはやされたテノールだったんですけど、のどの手術後はパッとしない印象ですが、今回もそこそこ標準は満たしているものの・・・・という印象でした。
ツェルリーナ役のレージネヴァがどうもウェブを見ると一押しのようだが、前半はかなり不安定ながらも後半の高音はたしかに素晴らしい。
ただ他のキャストに比べ圧倒的に背が低く、並んで立つとそれがやたらと目立ったかな。
そんな多様なキャストで個々の出来不出来はあるものの、多重唱のアンサンブルがきらきらしていて素晴らしかった。やっぱりそこが「フィガロの結婚」同様にモーツァルト・オペラの真髄ですね。
セットは白を基調としたもので、迷路のような回廊をともなったものを回り舞台を駆使していろんな角度から見せ、そこにプロジェクション・マッピングでいろんな映像を投影し広がり、奥深さを見せている。
以前メトロポリタンのすのこの「ニールベルゲンの指環」にもすこしプロジェクション・マッピングが使われていましたがそれよりも有効性が高かったです。
驚いたのは回り舞台で回転しつつも映像はブレずに回転していくのですね。
最近の技術の高さには驚きましたな。
ただ唯一のミソとして、最後の地獄落ちで、ドン・ジョヴァンニは地獄に落ちずに孤独のまま終わるという結末にはちょっと腰砕けな印象ですかな。
お約束のように落ちてくれなくちゃだわ。
2年前のトリノ王立の来日の「トスカ」でクライマックスでサンタンジェロ城からトスカは飛び降りず幕がおり、幕にトスカが飛び降りていく映像が流れたときと似た食い足りなさを感じましたわ。
Wolfgang A. Mozart "Don Giovanni"
指揮 アントニオ・パッパーノ
演出 カスパー・ホルテン
演出助手 エイミー・レーン
レポレロ アレックス・エスポージト
ドンナ・アンナ アルビナ・シャギムラトヴァ
ドン・ジョヴァンニ イルデブランド・ダルカンジェロ
騎士長(ドンナ・アンナの父) ライモンド・アチェト
ドン・オッターヴィオ(ドンナ・アンナの婚約者) ローランド・ヴィラゾン
ドンナ・エルヴィーラ ジョイス・ディドナート
ツェルリーナ ユリア・レージネヴァ
マゼット(ツェルリーナの夫) マシュー・ローズ
フォルテピアノ アントニオ・パッパーノ
ロイヤル・オペラ合唱団 / ロイヤル・オペラハウス管弦楽団
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