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2015年09月13日21:49

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今日の「花燃ゆ」

征長戦争のことを、このドラマではあくまで長州側の立場に立って「幕長戦争」と言ってますね。

ま、それはいいにして、「花燃ゆ」贔屓の自分で、歴代大河の中でもこの「花燃ゆ」を大好きな作品の一つとして毎回楽しみにして見ている私ですが、今日ばかりは、今日ばかりはちょっと(いや、かなり)辛口になるかも。

まず、美和と辰路の出会い、いくら奇をてらうのがフィクションのドラマであり、また現実社会でも本当に珍しい偶然というものはないわけではありません。
しかし、とりわけフィクションの世界では、ストーリーの展開を万が一つにも偶然に求めてはいけないというのが常道です。
偶然のように見えても実はそこに至る何らかの必然を伏線として描くべきです。

当時の京都がどれくらいの大きさの町だったか、またどれだけの人口があったか…それを考えたら、不逞浪士に追われて「たまたま」逃げ込んだのが探し求めていた人の家だったなんて……フィクションだと分かって差し引いて考えても、あまりにもウソ臭い。
これじゃあ、冷めてしまいます。
こんな展開は、キッズアニメにだってありません。

そして、前回、今日の回想シーンかなんかで大政奉還が出るのかなとか書きましたが、なかったですね。
いくら美和ベースのストーリーだったとしても、小学生の教科書に載っているくらいの大事件の大政奉還と王政復古の大号令を完全にスルーして、話題にすら出さなくて、抹消してしまうなんて。
どうして征長戦争(幕長戦争)からいきなり鳥羽伏見の戦いにつながるんですか?
大政奉還も王政復興の大号令も、そんな歴史的事実はなかったと抹消してしまうんですか?
そのものを描かなくても、誰かのセリフの端に出すとか、ナレーションが言うとか、触れる手立てはあったはずです。
まさか、大政奉還がなかったというパラレルワールドを描いているのですか?

その鳥羽伏見の戦いもあっけなく勝利。
その後の江戸城総攻撃と無血開城、奥羽越列藩同盟との戦いや箱館五稜郭なども完全に歴史上から抹殺ですね(笑)
「八重の桜」では一カ月もかけて描いた会津戦争が0分0秒。
「八重の桜」では征長戦争をスルーなんてしていなかったですよね。
ま、天璋院様って、あの篤姫の名前が出たのだけは懐かしかったですけれど。

そして、新政府の描写もなんですか?
簡略すぎる、っていうか、雑すぎる。
新政府って木戸と楫取の二人だけで運営していたのですか?
ま、伊藤博文だけは楫取の後ろで顔だけ映ってたけど。
あの長州がかくまった三条実美は太政大臣にならないのですか?
山県有朋や井上馨、薩摩の西郷や大久保はどこへ行ってしまったのですか?

とにかく、テンポが速すぎます。

そして楫取が山口に戻って、「殿にやって頂きたいことがあります」って言った時に、ま、ま、ま、まさかもう版籍奉還を言い出すんじゃないよな…なんて思っていたら、実はその「まさか」だった。

テンポの速さについて行けないって感じでした。

まあ、辛口はこのあたりまでとして、
当時の人びとにとっては新政府になったとて、あの銀姫のようにこれからどう変わっていくのかなんて予想もつかずにいたでしょうね。
まさか何から何までひっくり返されて、中央集権の郡県制になり、文化も文明開化して少なくとも都会の公共の場は一気に洋風になるなんて誰も思っていなかったかも。

この版籍奉還、薩摩では藩主島津茂久が「西郷や大久保に騙された」と、腹いせに町中の花火を打ち上げたなんて描写したドラマもありました。
しかしこの長州では、そうせい侯の最後(多分?)の「そうせい」によって新しい時代を迎えました。
これまでも、新しい日本を築くための力となってきた毛利敬親の「創声力」!恐るべし!
早く「世界創声力機構(DEAVA)」に参加されたし!

で、新しい時代を築くには、負けた方は言いなりになって解体するしかありませんが、勝った方こそ大変だったんだなあと思いました。

そういうわけで、来週は不平士族の反乱ってところですか? 前原一誠の乱まで行くんでしょうね。
そしてこの後は「花神」では描かれなかった時代に突入します。

明治時代を三カ月にわたってじっくりと描くことになるのでしょうから、そのための今日の回のテンポの速さと雑な描写だったのだと善意に解釈して、今後に期待します。

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