この間の雨の夜。
少し遅い目の時間にクーちゃんの散歩をしていた。
ワタシは雨の散歩というのが嫌いなので、さっさと帰りたいのだが、ハハが入院して以来、
「一日の最後の散歩はクーちゃんの好きな道を好きなだけ」 がなんとなく定着している。
クーちゃんにもいろいろ迷惑をかけてるし、我慢もさせているのは分かっているので、仕方がない。
てくてく歩いていくと、高架下に背の高い男性が透明の傘を持って、ワタシたちの方を向いて立っていた。
「あんなとこで、ナニしてるんやろ・・・やだな」 と思っていると、
突然、高架の隅っこに近づきラブシーンを始めたのだった。
「女の子、おったんか・・・さて、行こか戻ろか・・・」 と思いながら、クーちゃんに目を
落とすと、
既にクーちゃんは、ワタシのほうを見上げていて、その目には明らかに
「どどど、どうする??」 と書いてあった。
「どうするもなにも、チューしてはるだけやんか。
この散歩がクーちゃんに決定権があるんやから、クーちゃんの好きなようにしなさい」
というと
「・・・戻るわ」 とでも言っているかのように、今来た道を戻りだした。
* * * * *
叱られるのを待っている細めた目とか、なんか文句がありそうな少し白目を向いた目とか、喜んでいるときの黒い目とか・・・いろいろあって、今回は「黒い目」なんだけど、喜んでいるのでは決してない、どこか途方にくれたような目でした。
おもしろいなぁw
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