たまたま、昔の新聞の切り抜きでコラムを読んでびっくりしたのですが、御年85歳(当時)を迎えられた瀬戸内寂聴さんが携帯メールにハマっていると書いてありました。
「なんで寂聴さんが?」と思ったらこんな理由が書いていました。
自分の周りでいろいろな方が亡くなっていく。自分も今夜死んでもおかしくないと思ったら、反対にがぜん生命力が湧いてきた。
したいことはほとんどしつくして悔いはないけれど、死ぬまでに何か新しいことを習得してみたい。思いめぐらすうちに、これまで宝の持ち腐れのように持っていた携帯電話を使って「世界一短いラブレター」を遺そうと思った、というわけです。
そして、いきなり「あいしています」というメールを送った。
先方は「気でも狂ったのか」と電話で聞いてきたそうです。67歳の甥御さんだったそうですが、
「小学生でもできることが83(当時)の老婆ができなくてどうする」
と、寂聴さんは書かれる。
そんな寂聴さんの80歳を超えてからの仕事量ときたら、小説のみならず歌舞伎や能、狂言、オペラの台本と目を見張るものがあります。ご自身で「意気込みと好奇心だけが私の取り柄」とおっしゃるように、いろいろな刺激を受けて脳がますますフル稼働しているのでしょうね。
「守りに入った瞬間から年を取る」といわれますが、寂聴さんのこの姿勢、行動力、見習いたいものです。
・・・・・近藤勝重「しあわせの雑学」より。
(以上)
87歳の私は、寂聴さんのこの気がまえと好奇心の強さにも心から共感でき、嬉しくなりました。
最近、再び中村天風先生、菜根譚(さいこんたん)を再び勉強し始めました。
「意気込みと好奇心だけが私の取り柄」といわれる寂聴さんに励まされ、「末路晩年、君子宜しく精神百倍すべし」(中国の古典・史記)のとおり、精神百倍、精神百倍で、これからの人生に挑戦していきたいものです。
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