mixiユーザー(id:24473762)

2015年07月19日21:22

161 view

東京交響楽団 川崎定期演奏会第51回

日時 7月18日
会場 ミューザ川崎
出演 指揮:ジョナサン・ノット、 ピアノ:デジュー・ラーンキ
曲目 ストラヴィンスキー:管楽器のための交響曲、 バルトーク:ピアノ協奏曲 第1番Sz.83、 ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」

いつもはオケの中で大きな音を出し存在感を発揮する管楽も、弦楽や打楽器など他の楽器がいない舞台に管楽だけで座ると小さい寂しい集団に見える。曲自体よく分からないしせっかく管楽器の晴れ舞台なのにもう一つつかみどころのない演奏に思えた(Youtubeでもあるがあまり面白い曲には思えなかった)。

バルトークは一時好きで弦楽四重奏や弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽いったところをよく聴いた。ピアノ協奏曲だと第2番と3番の方が面白くそちらはよく聴いたものだ。梅雨で湿気が多いからというわけではないだろうに、

先ずラーンキさんのピアノの音色に張りがない。それに付き合うかのように東響の演奏も輝きが足りない。曲のせいなのか演奏のせいなのか今一盛り上がりに欠ける演奏で演奏終了後の拍手も盛り上がりに欠けていた。


「運命」の前にまず、以前にも書いた、フルトヴェングラーとトスカニーニのエピソードを。
(演奏会で指揮した後のフルトヴェングラーに自分の)演奏について聞かれたトスカニーニが「私は楽譜にあるがままに、音譜を演奏する主義だ」と答えると、フルトヴェングラーは「それはわかります。だが、私はページのうしろにかくれている音譜を捜しているのです。そこのはない音譜をね」と応じたという。


今時「運命」のようなとびっきり有名な曲を指揮するということは勇気のいることかと思う。聴き手のほとんどが生やLP・CDでこの曲を聴いている、その中にはある特定の演奏を最高と考える人も多くいる可能性がある。上手く演奏できて当たり前、失敗すればぼろくそに酷評される可能性もある。

最近ではテレマン室内合奏団のような当時の楽器を使ったオケがベートーヴェンの交響曲を非常に高い水準で演奏している。モダン楽器を使う楽団も弦楽器を少なくして早めのテンポで演奏をするのが今風らしいが、モダン楽器とピリオド楽器の違いがあるため、ただ弦楽を少なくすればよいというわけでもない。
今回の東響も弦を少なくした今風の編成だ。ノットさんの指揮も今風の速いテンポと緊張感あふれる指揮をしオケも力強く緊張感のある演奏でそれに応えた。大作曲家と言うよりは野心に満ち溢れる壮年ベートーヴェンを聴かせてくれた。

大変満足のいく演奏であった。それでも最初のフルトヴェングラーの言葉を思い出してしまった。そうだ、やはり私は「運命」といえば、フルトヴェングラーが1947年7月にベルリンフィルを指揮した演奏が一番好きだ。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する