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2015年07月18日07:06

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中村天風「安っぽい見切りを自分につけないこと」


清水榮一「中村天風に学ぶ絶対積極の言葉」より。

いいかい、やすっぽい見切りを、
自分につけないこと。
わかった?

ある高等学校の体育の時間に行なった大変興味深い実験がある。立教大学の松井賚夫教授が、その著書「リーダーシップ」(ダイヤモンド社)の中で紹介している。

50名の生徒めいめいに小さなチョークを与え、「みんな、力いっぱいに、できるだけ高く跳び上がってみたまえ」と指示して板壁に向かって順番に跳び上がらせ、各自いちばん高く跳び上がったところで壁にチョークの印をつけさせる。つぎに数日たってまたその生徒を集め、今度は一人一人の生徒に、前のテストでその生徒が跳べた3割増しの高さのところにチョークで印をつけておいて、「君たちはもっと高く跳べるはずだ。印のところを目標にして、それを高く跳べるように努力してみたまえ」と指示して跳び上がらせてみた。

その結果、50名の生徒のうち約半数は、その印より高く跳ぶことが出来た。これは、生徒たちの半数は、目標を与えられることによって、さらに3割の力を体内から絞り出すことが出来たことを意味している。

次に、数日たって、また別のクラスの生徒50名を集めて、第一回目には「出来るだけ高く跳ぶように」と命じ、第二回目には目標を与えないで、ただ「君たちはもっと高く跳べるはずだ。もう一度、出来るだけ高く跳べるように努力してみたまえ」とだけ指示してテストを行ってみた。ところが、このほうのクラスでは、第二回目の成績が、第一回目の成績の3割を上回った者は50名のうちわずかに15名、つまり約3割に過ぎなかった。

次に、両クラスの生徒たちについて、「第二回目の自分の成績にどの程度満足感を覚えたか」を調べてみたところ、目標を与えられたクラスでは、目標を達成できた生徒たちは例外なく「満足」と答えたのに、目標を与えられなかったクラスでは、実際に3割以上も高く飛べていながら「満足」と答えたものは15名中わずか8名で、残りの7名はせっかくよい成績を上げていながら、これという満足感を味わっていなかったことがわかった。

この実験で、松井教授は次の2点を指摘している。一つは目標を持つことで、自分に内在するエネルギーをフルに発動させることが出来る。二つには、人は目標を意識してそれを達成したとき、深い喜びをもつことが出来るということである。

今までやったことがないから出来ないのではなく、今までやったことがないからこそ、やってみるのだ。はっきりとした目標をもって、用意万端ととのえ、心に充分なエネルギーをこめて――あとは自分を信じて跳躍だ。

「やった! やれた! 私にも出来た」

自分の中の未知だった新しい力に気づかされて、思いがけない喜びが心の中ら湧き上がる。このとき自分の中に新しいページが増えたのだ。

「私には出来るのだ」。これこそ新しい自己発見であり、自己拡大であり、生きがいにつながる自己充実の至福の時である。自己成長の実感である。

これが自己実現だ。

人間は、挑戦すべき目標を持ったとき、既に出しきったと思われる自分の限界をはるかに飛び越えていくものだ。その目標は、夢であり、理想であり、願望である。

それが目にありありと見えるように明確に心に刻まれ、そこに情熱を注ぐとき、夢も理想も願望も信念となる。その信念こそ人生の原動力なのだ。

「強く願えば奇跡は起こる」。強く願い、強く確信し、強く予期して行動を起こすとき、奇跡はわがものとなる。

だれでもその気になれば、奇跡は起こせるものなのだ。自分のほうから、簡単に限界を設けることは慎みたい。自分の中にある無限の可能性を信じよう。




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