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2015年07月06日07:40
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『自選短篇』
図書館から借りてきたのはこちら。
『大江健三郎自選短篇』（２０１４年８月１９日岩波文庫）。８００ページをこえる大冊。あとがきで、≪私にとって読み直すことは部分的にであれ書き直すことです。いま短篇小説の総体からある数を選んで（そのようにして残すものより除外するものが思っていたより多くなりました。）この場合にも私は必要に思う書き直しはして、最終的な定本作りをこころがけました。≫と大江は書いている。また、編集部による「編集付記」でも≪今回の文庫化にあたっては、収録作品全体にわたって、作者による加筆修訂が施されている。≫とあり、初出誌や単行本収録段階からも書き直された部分があることがわかる。
６月２５日に『僕が本当に若かった頃』所収の「火をめぐる鳥」のことを書いた。この作品も文庫にとられて、「�係經�短篇」の最後、つまりこの本の最後に収められている。詩の引用からはじまる作品で、その詩人が誰なのか明らかにされなかったのだが、
書き直しによって、伊東静雄であることが最初に明示されることになり、また、「京都のフランス文学者S氏」も「杉本秀太郎氏」とされた。これらによって、この文庫ではじめて「火をめぐる鳥」を読む読者は、誰の詩であるかとかS氏が誰かという疑問にとらわれることなく読みすすめることになるのだが。
１９５７年の処女作「奇妙な仕事」にも書き直された部分があり、６０年近くたっての修訂に議論があるようだ。
『大江健三郎自選短篇』（２０１４年８月１９日岩波文庫）。８００ページをこえる大冊。あとがきで、≪私にとって読み直すことは部分的にであれ書き直すことです。いま短篇小説の総体からある数を選んで（そのようにして残すものより除外するものが思っていたより多くなりました。）この場合にも私は必要に思う書き直しはして、最終的な定本作りをこころがけました。≫と大江は書いている。また、編集部による「編集付記」でも≪今回の文庫化にあたっては、収録作品全体にわたって、作者による加筆修訂が施されている。≫とあり、初出誌や単行本収録段階からも書き直された部分があることがわかる。
６月２５日に『僕が本当に若かった頃』所収の「火をめぐる鳥」のことを書いた。この作品も文庫にとられて、「�係經�短篇」の最後、つまりこの本の最後に収められている。詩の引用からはじまる作品で、その詩人が誰なのか明らかにされなかったのだが、
書き直しによって、伊東静雄であることが最初に明示されることになり、また、「京都のフランス文学者S氏」も「杉本秀太郎氏」とされた。これらによって、この文庫ではじめて「火をめぐる鳥」を読む読者は、誰の詩であるかとかS氏が誰かという疑問にとらわれることなく読みすすめることになるのだが。
１９５７年の処女作「奇妙な仕事」にも書き直された部分があり、６０年近くたっての修訂に議論があるようだ。
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