５月から通い出した「民謡教室」。黒田節や津軽甚句を大声で歌っています。商業的に作られた演歌より、長く唄われている民謡の方に、味を感じるのです。
レッスンは毎回１曲づつ順に習わず、歌詞集の２０曲全てを毎回繰り返し唄って覚える方式。津軽三味線で伴奏する講師が選んだのは、他に新相馬節/十三の砂山/淡海節/斎太郎節/貝殻節など。
その講師は７０歳代の元気いっぱいの元体育教師。いきいき大学の講座で月２の全２０回。生徒数は２５名ほどで、毎年継続受講する女性が大半を占め、初参加は数人だけ。何となく壁を感じます。
初めて知ったのですが、民謡って楽譜が無いのですね。歌詞に表れない抑揚や伸ばす箇所は、数多く唄って耳で覚えるしか無いようです。
津軽三味線と言えば高橋竹山が有名ですが、彼の発掘者が成田雲竹。津軽民謡の神様と呼ばれ、写真の立ち姿と訛りに風格を漂わせます。また歌詞に混じる方言にも土地の匂いを感じます。
中でもお気に入りは津軽甚句。「どだればち」とも呼ばれる盆踊り歌だそうで、この歌詞には津軽の人々の生活の哀歓が滲み出ています。
♪どだばえこのてでゃ 雨降る中に かさもかぶらねで けらこもきねで♪
本家の主人が傘も雨除けも使わず田仕事している様子を現しただけですが、日常生活を表現する中に、風刺をピリッと利かしています。
成田雲竹の津軽民謡から、その奥深さを知りました。
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