横浜美術館に行き石井尚志展を観た
2015年05月30日(土)
メディアで紹介され、墨絵が動く様子が単純に面白かったので、興味本位で行って観た。
こんな事を発言しては、苦労して製作しているアーティストに申し訳ないのだが、素人的にあの映画の予告編のように、自分は興味を感じただけなのだ。
定点撮影は凄まじい時間を要し、動き変化そのものが生命(いのち)に感じられたのだ。
だが、現実の美術館での作品は私には違って観えた。
撮影フィルムの「カシャカシャ…カシャカシャ」という音が、時を喰う、魔物のように感じられ、時の残酷差と時間は命の成長や変化をしているということを感じさせてくれた。
そう、よく、江戸時代の映像とか、明治とか、大正とか、ハタマタ某有名人の幼少の頃の映像とか…色々あるわけじゃん。しかもそれを残した人々は皆ブルジョアジーな訳で。
あの、フィルムの廻る音がとても残酷に感じられるのだ。
すべて、手で描いて定点撮影したフィルムなのだが、デッサンもなく即興で描いて行くので、もの凄い制作者のパワーは感じる…のだが。
赤インクは使っていない。だって、赤インクを使ったらのなら、血の海にしかみえないもの。
赤でなくて薄墨で救われた物の、墨であっても、現実世界で未だに起きている残酷な人殺しを自分の中では連想してしまったのである。
時を喰う、魔物が知らしめてくれる現実、そんな残酷なシーンばかりを連想してしまったのだ。
墨とかブルーとか、部屋に差し込む陽の光をモチーフにインクで着色した部屋の一部は、三日三晩、定点撮影を続けているのだ。
凡人なので、そう思えるのか…単純にアートを楽しめば良かったのか、う〜むの小雨ながら、深い一日であったなぁ。
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