mixiユーザー(id:14438782)

2015年04月20日18:58

196 view

いまどきのドラマにおける美しさの取り扱い

 『あまちゃん』で足立ユイを演じた橋本愛の役割は美少女だった。能年玲奈が演じたヒロインとの二人だけのアイドルユニット、潮騒のメモリーズでは、ヒロインが訛っている方、足立ユイが可愛い方と他の登場人物たちから言われていた。うがった見方をすれば、ヒロインの親しみやすさを強調するための当て馬だったともいえる。

 ドラマにおける役割を外してしまえば、能年玲奈と橋本愛のどちらが可愛いか、当然ながら容易に結論の出る問題ではないと思う。しかし、ドラマで美少女の役を振られて概ね異論が出ないほどには可愛いし、目が切れ長でクールな雰囲気を漂わせていることは、美少女の役割を振られやすい特徴だともいえる。

 でもって今、美少女ってそんなに優遇されていないとも思うんである。いやもちろん、容姿が優れていることはかなりのアドバンテージなのだろうけれども、昔ほどオールマイティには威力を発揮しない様子である。実際、足立ユイもたしかに美少女なのだけれど、それゆえになにかこじらせている感じの女の子であった。

 さて、その橋本愛が『64』にも出演していた。『64』というのは、タイトル通り、ニンテンドー64を開発した男たちのドラマである、というのはウソである。7日間しかなかった昭和64年(1月8日から平成元年になった)に発生した誘拐殺人事件を追う刑事のドラマである。ピエール瀧が主演なので見てみたら、脚本は大森寿美男だった。原作は横山秀夫だし、これでつまらなかったから演出と俳優はハローワークに並んだ方がいいと思うけれど、第一回の時点でこのまま今年のベストになりそうな勢いだった。

 そして、このドラマで橋本愛は自分を醜いと思いこむ、醜形障害なのだった。実際の醜形障害がどのように診断されるのかはわからないけれど、少なくともドラマにおいて、醜形障害は美形の人物にのみ付与される属性だと思う。美形でない人の場合はふつうに容姿へのコンプレックスとして扱われ、あくまで当人がそう主張すると「気取ってんじゃねえ」ということになってしまう。

 つまり、ここでも橋本愛は美少女としての役割を振られ、しかも、それについての最大級のこじらせを発症しているのであった。彼女は今後も美しいがゆえのこじらせを演じていくのだろうか。まあ、その路線もありかなという気はする。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年04月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

最近の日記

もっと見る