商品名か否か、そして思惑がどうであるか。

単に英語もイタリア語もフランス語もごちゃ混ぜにしてるだけの気もしますけどね。

海外はどうか知りませんが、日本では、同じものでも各国の発音、というか呼び方で異なるものになることがありますしね。


■ 『ジビエ』 と 『ゲームミート』 という料理の話

『ジビエ』 とはフランス語で狩猟による鳥獣肉の事ですが、英語では 『ゲームミート』 です。

ジビエ料理として出すお店があります。そしてゲームミート料理として出すお店があります。
そこに何の違いがあるでしょうか。

フランスでは

生息数の減少から “飼育しているもの” も 『ジビエ』 ですし、

野生のものを餌付けした “半野生” のものも 『ジビエ』 です。

一方、ゲームミートは狩猟（ゲーム）で得た肉（ミート）だから、基本、野生のものだけのはずですが、実は明確な決まりはありません。

ですが、明らかに異なるものとして普及されます。何故なら違いを出す事で他のお店や料理とは一線を画していて、珍しいまたは、ここでしか食べれないなど宣伝的な意味合いが出るからです。

何が違うの？と問われれば、違いを探し始め、 『ゲームミート』 は基本、野生のみの料理だから、飼育も含む 『ジビエ』 とは違うんじゃないか、と、“あえて” 区別をする事でしょう。

ここでは同じ事なのにあえて違いを出し、商品名を分けて考える 「思惑」 という例を出しました。


■ 『カルビ』 と 『バラ』 というお肉の話

『カルビ』 は韓国語というか朝鮮語の呼び方です。日本では 『バラ』 と呼びます。

細かく言うと、『カルビ』 とは 『あばら』 を意味してまして、肋骨周辺の肉で、かつ主に腹側の事を言います。

日本では昔から「三角バラ」，「ともバラ」，「肩バラ」，「しょぼり」，「中落ち」，「ゲタ」あたりの部分に該当しますので、その付近を朝鮮語でいうと 『カルビ』 になる訳です。もともと日本では “肋骨周辺の腹側の肉を総称した名称” なんていうものが無いんです。つまり日本と朝鮮で、部位の区別による名称が異なっていたというだけです。それをごちゃまぜにするからおかしくなります。

韓国語では総称、日本語では部分名

ここでは「総称」と「部分名」という、お互いの言語では無い（または異なる）呼び方の混同による一般人の混乱具合と、「総称」と、そうでないものの例を出しました。


■ 『カフェ・オ・レ』 と 『カフェ・ラテ』 という飲み物の話

イタリアでは 『カフェ・ラテ』、『カフェマキアート』、『カプチーノ』 と、牛乳の状態によって名前も変わりますので、『カフェ・ラテ』 は商品名であり、総称ではないようです。もしかしたらエスプレッソ以外のコーヒー＋牛乳の総称的な呼び方は無いのかもしれません。


では、『カフェ・オ・レ』 はどうでしょう。

フランス語で 「コーヒーとミルク」 を意味する 『カフェ・オ・レ』 。

ドリップしたコーヒーを使うとのことですが、

では、エスプレッソ、サイフォン、パーコレーター、フレンチプレス、ウォータードリップ、煮出し

これらで抽出したコーヒーを使ったら 『カフェ・オ・レ』 と呼んではいけないのでしょうか？

日本でもコーヒー牛乳と言えば、どんな抽出をしたコーヒーか、泡立った牛乳か、普通の冷たい牛乳か、一緒に煮込んだか、などの違いでの区別はありません。

お店で出すときは余所との違いを出すために呼び方を変えたりはしますが、それは商品名であって、コーヒー＋牛乳の総称ではありません。

私が調べた限りでは、『カフェ・ラテ』 と違い、フランス語でいう 『カフェ・オ・レ』 は

　　　
　　　　 “ドリップコーヒーでなければいけない”


といった縛りはありませんでした。

つまり “商品名” ではなく、あくまでもコーヒー＋牛乳の “総称” と結論づけられます。



■ ということで…。

結果として、 『カフェ・オ・レ』 と 『カフェ・ラテ』 の違いとは、やはり日本独自の言葉の曖昧さや、総称と商品名が混ざるという混同、または今更混ぜられては困るという思惑などが絡んでいると思います。

一般的な人からすれば、元々言語が異なるので、何が違うのか混乱するでしょう。

そこにつけこみ、コーヒー業界（というかカフェ関連の業界）が、あえて区別をつけることで販売しやすくしたのではないか、という気がします。


まあ、結論とか言いながら、私的な憶測で終わってますけどね。




今更聞けない！？カフェオレとカフェラテの違い
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=121&from=diary&id=3364582