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2015年04月02日22:01

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オルガンの魅力 〜音色七変化〜 <第92回舞台芸術講座>

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日時 3月28日(土)
会場 神奈川県民ホール 小ホール
出演 オルガン・お話 : 荻野由美子
プログラム J.S.バッハ:小フーガ ト短調 BWV578、 J.S.バッハ:コラール「目覚めよ、と呼ぶ声あり」BWV645、F.メンデルスゾーン:ソナタ 第2番 ハ短調 op.65-2、 M.デュリュフレ:「来たれ創り主なる聖霊」によるコラール変奏曲 op.4  ほか
オルガンの仕様   製作 ヨハネス・クライス社(ドイツ/ボン)Johannes Klais Orgelbau(Bonn)  設置 1974年9月
ストップ数 30  パイプ数 2024本
http://www.kanagawa-kenminhall.com/doc/stoplist.pdf


オルガンは「一台でオーケストラ」と表現されるように、音色の多彩さにおいても「楽器の王様」と言えるでしょう。そして曲に合わせて音色を作っていく作業=レジストレーションはオルガニストにとって大切な技術の1つです。
 県民ホールのオルガンには30種類の音色=ストップがあります。その中からどのストップを選び、どれとどれを組み合わせると、どんな音色になるのか?まるでパレットで色を混ぜ合わせ、無限に色を作り出す作業とも言えるレジストレーションを大公開!会場の人気投票でレジストレーションを決めるなど、参加型の講座でオルガンの謎と魅力を解き明かしてみたいと思います。
−荻野由美子さんのレジメから−



県民小ホールが主宰する楽器の構造から紹介してくれる解説付きコンサート・「楽器の魅力」シリーズ第2弾。前回のチェンバロに続き今回は待ちに待ったパイプオルガンのレクチャー付コンサート。複雑な構造物であるパイプオルガンは説明するだけでも2時間ではとても時間が足りず、説明がやや急ぎ足になってしまったがやむを得ないことだ。それでも上手く整理された分かりやすいレジメと、演奏台付近をライブ映像で映し出すというサービスにより短い時間の中でパイプオルガンについてとても上手に説明していた。

中規模のオルガンということもあり音色を作るパイプの種類も大ホールのオルガンほど多くない(30種類=ストップ、ちなみにみなとみらいとミューザ川崎は62ストップで同じ)。先ず35のパイプ群の音色を実際に弾いて聞かせてくれる。

パイプオルガンは8フィートから始まるパイプ群が基本とのこと。その他にオクターブ上の音が出る4フィートから始まるパイプ群や更にオクターブ上の2フィート群があり大ホールのオルガンにはオクターブ低い16フィートのパイプ群も多く設置されているとのこと。その他に1+1/3や1+3/5などのパイプ群もある。

鍵盤の一番左(低い)の鍵を弾くと各パイプ群の一番低い音が出る仕掛けになっている。ということは、同じ鍵を押しても同じ高さの音が出るわけではなく、使うストップ(パイプ群)によってはオクターブ上の更にオクターブ上、オクターブ下、時には4度上や5度上の音が出るということだ。一つの鍵盤でストップにより複数のパイプを鳴らすことができるので組み合わせは30ストップといっても無数にある。これが複雑な音色を奏でるパイプオルガンの魅力の秘密といって過言ではないようだ。

前半の最後にはバッハ:小フーガ ト短調、コラール「目覚めよ、と呼ぶ声あり」2曲を2種類の音色で出だしをを弾き聴き手に一方を選ばせるという面白いことをした。同じ曲でもストップの使い方により曲想が大きく変わる可能性があることを教えてくれた。

後半はブラームス、メンデルスゾーンの曲ストップを選びながら音色を作っていくという作業を目に見える形で進めていく。オルガニストがある曲をどのように構築していくかが実際に見ることができてとても面白かった。

今回はやや駆け足で合ったので、もう少しゆっくりとしたレクチャーコンサートが催されることを期待したい。

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