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2015年03月22日10:57

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お客様が先、利益は後



長野市内で断トツの業績を誇る中央タクシーの創業者で、会長の宇都宮恒久氏のお話をご紹介します。
   

MKタクシー創業者の青木定雄オーナーとの出会いです。
創業して1、2か月たった頃、友人から凄いタクシー会社があると聞いてビックリしまして、アポイントも取らずに夜行列車を乗り継いで京都に行ったんです。

京都駅からMKタクシーに乗って本社まで伺ったんですが、早速驚いたのが、助手席の安全枕に「お客様へのお願い」とありましてね、
次の4つを怠った乗務員には運賃を払わないでくださいとあるんです。

★「ありがとうございます」と挨拶をします。
★「MKの○○です」と社員名を明らかにします。
★「どちらまでですか」と行き先を確認します。
★「ありがとうございました。お忘れ物はございませんか」  とお礼を言います。

感服しながら本社に着いたのですが、やはりオーナーはご不在で翌朝3、40分なら時間を取れると。
その日は市内で何度もMKの車に乗り、行き届いたサービスにつくづく感服しました。

翌朝お会いするとオーナーは開口一番「君、年はいくつだ?」と聞かれました。
28歳で、まだ10台しか車を持っていないと申し上げると、「そうか、実は私も32歳で始めた時はやっぱり10台だったんだ」とたちまち話が弾んで、3、40分の面会予定が
3、4時間になったんです(笑)。

以来30年、青木オーナーを師匠と思い定めて毎月のように通い詰め、頑張れ、頑張れと
励まし続けていただきました。

その青木オーナーからある時、今度こんなことをやるんだと紹介されたのが空港便だったのです。

数人乗りのジャンボタクシーでお客様をご自宅から空港までお送りするサービスで、
素晴らしい業績を上げている。ぜひ君もやりなさいと。

ところが地元の松本空港では便数、乗車率ともに低くてとても採算が合わない。

諦めかけたところでパッと浮かんだのが、成田空港だったんです。

すぐに長野から成田まで走ってみると、3時間半で着きました。
これならいけるということで、価格をJRより安い8500円に設定し、24時間受付、
1名様からでもお送りするということで立ち上げたんです。

【記者:1名でも採算は合うのですか?】

1名の時は難しくても、トータルでは利益が上がるのです。
けれども当初はほとんど引き合いがなく、やればやるほど赤字が積み上がりました。3、4か月も続くと、やめたほうがいいかなと迷い始めたんです。

そんな時に出合ったのが宅急便の生みの親・ヤマト運輸の小倉昌男さんの本でした。

宅急便も最初は5年間も赤字が続いたそうです。しかし、それでも必ず逆転をすると信念を貫いて、ついに「翌日配送」のシステムを確立したとのことでした。

その話に意を強くして、もう少し粘ってみようと思い直したわけです。

そのヤマト運輸の小倉さんが赤字の時に言い続けたのが、

「サービスが先で利益は後」ということでした。

それに感動して当社も
「お客様が先、利益は後」という理念を掲げるようになったのです。

おかげさまで空港便は半年後に黒字転換し、いまでは毎日35台、ハイシーズンには
45台くらい走らせています。

ご注文数では1日350件にも上ります。新潟エリアにも1日70台くらい走らせ、
空港便は売り上げの6割を占める事業の柱になりました。
・・・・・・・・・・以上、致知出版社の「人間力メルマガ」【2012/4/17】より。


20日の日記でも述べましたように、松下電器(現パナソニック)は適正利益確保ということについて非常に厳しい会社でした。

それは、松下幸之助さんの次の経営観からです。
利益は目的ではなく結果である。利益というものは企業が社会貢献(お客様へ、よりよいものを、より安く、よりよいサービスで社会へ提供すること)した結果、報酬として与えられるもの、だからです。そして、利益の大きさは、企業が社会へ貢献する度合に比例する。
このように、相手が先で、利益は結果として後からついてくるという考え方です。


ヤマト運輸の小倉昌男さんの「サービスが先で利益は後」、MKタクシーの青木定雄オーナー、中央タクシー会長の宇都宮恒久さんの「お客様が先、利益は後」も、また、松下幸之助さんの「お客への貢献が先、利益は後の結果である」と、優れた経営者、本物の人の考えは同じだという思いを強くしました。




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