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2015年03月21日20:10

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小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》第16回

日時 3月18日(水)
会場 近江楽堂
出演 クラヴィーア:小倉貴久子 クラヴィーア:川口成彦
使用楽器:Klavier made by Kenta Fukamatti after John Broadwood [ca.1802]

曲目 ドゥセク:ソナタ「エレジー・アルモニク」 嬰ヘ短調 作品61、四手のためのソナタ 変ロ長調 作品74、四手のための3つのフーガ 作品64より
モーツァルト:小品 K.15d、四手のためのアンダンテと5つの変奏曲 ト長調 K.501、フランスの歌「美しいフランソワーズ」による12の変奏曲

フォルテピアノのアクションには現在は使われていないウィーン式とモダンピアノに連なるイギリス式の2種類がある。これまで小倉さんはウィーン式アクションのワルターモデルを使うことが多かったが、今回はイギリス式アクションのブロードウッドモデルによる演奏。
実のところ、ウィーン式とイギリス式の違いは分からないが、この日演奏されたモーツァルトはどことなく重く感じられ、いつもの軽いタッチのワルターモデル(ウィーン式アクション)の音色の方が合っているように感じられた。

ドゥセクという作曲家は、当時はモーツァルトよりも人気(作曲家としてではなくピアニストとして)があったともいわれる。なかなかのイケメンだったようで、特に横顔が良かったそうで、横顔が見えるようにピアノを今のように横に置いて引いた最初の人とのこと(いろいろな浮名を流してもいたようだ)。また、英国にいたころイギリス式アクションを開発したジョン・ブロードウッド(この日使われた楽器のオリジナル)と親交があったことによりピアノの発展に寄与したみたいだ。
イギリス式アクションのフォルテピアノで作曲したこともあってか(出身はボヘミア)、モーツァルトと同世代であるのにかなり違うロマン派に近い曲を作っている。そのせいか、当時演奏に比べて曲の方は人気がなかったという。作品64のフーガもロマン派風というか一風変わった楽曲で面白い作品だった。作品61の「エレジー・アルモニク」も味わいのある作品(Youtubeで、https://www.youtube.com/watch?v=mK46an9VNNc)だが、最期に演奏された作品74の四手のためのソナタはスケールの大きいなかなか良い曲だ。

体調不良のバロックハープの西山まりえさんの替りに急きょ出演することになった川口成彦は芸大で小倉さんについているとのことで、とても息の合った演奏を聴かせてくれた。

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