mixiユーザー(id:25351452)

2015年02月26日19:25

591 view

「エッグ」を観ると野田秀樹と同時代に生きてきた喜びを感じるね。

ポール・マッカートニーのテケツ取り、1月末からすった〜もんだ〜あったものの2日分は無事確保したし、そのうち1日はアリーナも確保できとりあえずはホッと一息。
しかし前回も思ったことに日本の正規販売は最後の最後までまいまだに座席がわからんが、海外のオフィシャルだと取った段階で速攻で座席がわかる。
この日本のブラックボックスで殿様商売的なシステムどーにかならんだろうか?

土曜はのんびりと仕事が終わった後はのんびりと池袋西口へ。
途中、池袋演芸場で次回の権太楼師匠の独演会の日付を調べたりしたあと
芸劇に向かい開演までちょいと乙Bビール
ちなみにきょん師匠、3月の余一会で独演会演るのね。

野田地図「エッグ」 @ 東京芸術劇場プレイハウス

野田秀樹の「エッグ」の再演。
野田地図の再演ものとしては初演から2年半と異例に短くもあるが、
どうも初演時に今回のパリ公演のオファーがありその際に再演が決定していた模様。
そんなわけでおそらくその時点でスケジュールを抑えていたのか奇跡的にも初演と誰一人変わることないキャスティングでした。

この作品はここ数年の野田さんの作品の中でもっとも好きな作品であるが、
(椎名林檎が音楽を担当しているということもあります)
初演では気付かなかった発見も多々見られ、複数回観ることでさらに味が増す野田作品の真骨頂でもある。

しかも東京オリンピックにも触れるこの作品、初演時には決まっていなかった2020年には東京オリンピックもあるし、寺山修司の未発表作品という体裁をとっているこの作品、今回のパリ公演をするシャイヨー劇場は82年に寺山が「奴婢訓」を持って行った場所と単なる偶然と考えるよりも符丁のよさを野田さんが呼び込んだようにすら思える。

初演と同じメンツゆえに誰もが実力持ったものばかりであり、なおかつ初演と合わせても80回以上の公演をこなしているので練り上げられている。
最初音楽とスポーツの讃歌をうたう導入なのだが、次第に時代が遡っていき日本の黒い歴史も垣間見え、大衆の本質というものを考えさせてもくれる。

とくに終盤は過去の野田作品を思い起こさせてくれ嬉しくなってしまう。
周囲の大きな存在により妻夫木演じる主人公が巨悪に祭り上げられるところは「野田版鼠小僧」にも通じるし、ほとんど絶望的なエンディングのなか深津絵里がもどってきて観客に小さな希望を残すのは「彗星の使者」での死んだはずのトブソーヤの復活を思い出す。
だからこそ野田作品からは目が離せられない。
かつて亡き勘三郎は「野田秀樹は俺らの時代の河竹黙阿弥だ」と言ったが、「エッグ」を見るたびにこの時代に生きていて良かったとも思う。

さて野田地図の次回公演は来年の初春まで待たねばならないが、そのまえに井上道義とのオペラ「フィガロの結婚」もあるのでこちらも楽しみるんるん
でも盟友勘三郎が亡くなってもまた歌舞伎も演ってほしいなぁ。
もっとも野田さんは「あんたじゃなきゃやらないよ」と勘三郎には言ったそうなので難しいだろうが・・・・
とくに「野田版鼠小僧」はどーしてもまた見たい限りだ。




作・演出:野田秀樹
音楽:  椎名林檎

阿倍比羅夫:妻夫木聡
苺イチエ: 深津絵里
粒来幸吉: 仲村トオル
オーナー: 秋山菜津子
平川:   大倉孝二
お床山:  藤井隆
劇場案内係/芸術監督:
      野田秀樹
消田監督: 橋爪功

カーテンコールで流れる林檎さんの「望遠鏡の外の景色」、昨年のさいたまでの林檎博でも聴いたけどジャズっぽさがクールかつスリリングでいいですな。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する