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2015年02月11日07:21

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MMRPGはじまりのはじまり 中編的な

里の内情?書くつもりはなかったけど期待されたので少しだけ。
一応続きですがここまでで区切っても、短編外伝として使ってもよさそうだったので短いながら載せます。


私の中でのちーほのイメージというか、こうやって遊びたい感じを表したというか・・・読む前から謝らせてください。ふざけましたすみません!!


※※※


『妖狐の御国』は山の間に出来た盆地に作られ、その領地は巨大な杭の列で仕切られていた。いかにも『古民家』と呼べる木造の家が整地された草地にぽつぽつと建っている。
国境の門から更に奥にある露店街は、売る人と買う人で大層な賑わいを見せていた。
ちーほは頭上の月詠の指示通りに露店街を歩いていく。

「なんだかすごく見られてるような・・・」
「こんな山奥まで他種族が来る事って珍しいしね。でも妖狐の本質って放浪人だからさ、他人が嫌いって訳じゃないよ?」

事実、向けられる視線は嫌悪などの邪見でなく好奇のソレだった。黒色の洋装という悪目立ちする格好だから尚更である。

「お兄さ〜ん」

無邪気な声にちーほは反射的に振り向いた。
露店の在庫らしきタルの上で、月詠とほぼ頭身の変わらない金髪と銀髪の美少女が背中を合わせて座っていた。しかも愛らしい口元に笑みを作り、こちらに向かって手招きしているではないか!

「お兄さん、寄ってかな〜い?」
「美味しい食べ物、いっぱいあるわよ〜」
「それとも〜・・・」

美少女達は着物の襟に手をかけ、雪のように白い肩を外気に晒す。

「「食べちゃうのは、こ・っ・ち・か・な?」」
「プガハッ!」

激烈な誘惑ショットにちーほは思わずよろめいた。夕日問題の事も忘れて頭を主軸に全身がのけ反る。

「わわっ!落ちる落ちる!!」

ついでに忘れられた月詠が落下すまいとしがみつく力を強め、回した足が男の気道を塞いだ。

「うえッ!・・・ごめんごめん」

叫び声で我に返ったちーほが体勢を整える。

「しかし流石は幼狐の国・・・なんて素晴らしい歓迎を・・・!」
「だから字が違うって。・・・あとその・・・ちーほってそっちの趣味が・・・?」
「え?」

頭上の声に固い物が混じっている。怯えているのだろうか?・・・さもありなん。

「ぼ、僕はあくまで紳士ですから!世界全国の淑女童女諸君を守る紳士!!特に後者に関してはこと更に気遣う所存ですよ?!イエスロリータ!ノータッチ!」

ちーほは言い張る。

「勿論今回のような例外はありますが、しかし袴の上からであって決して事故を装って生足に触れようなんて羨ましい・・・でなく、いかがわしい事を考えているなんて事は―――」
「そうだよね。きっとちーほはそうだよね」

・・・信じてもらえている内容が本望ではない気がする。
解せぬ、と思いつつまだ月詠に残る声の強張りを感じずにはいられない。

「うん、それとは別にアッチの趣味もあるっていうなら・・・あ、人の嗜好を否定する訳じゃないけど、せめて私を降ろしてからにしてほしいなーって・・・」

煮え切らない言葉に顔をしかめつつ、ちーほは正位置に首の位置を戻す。そして思わず数回瞬きした。
先ほどまで美少女達の座っていたタルの上には二人のオッサンが座っていた。金と銀の狐尾をバタバタ振って爆笑している。

「あいつ、ワシの変化にときめいとったぞ!」
「いやいやワシの方じゃろう!」
「いやいやワジの・・・・・・」
「いやいや・・・」
「・・・・・・・・・」

月詠は開いた口の塞がらないちーほの頭をぶっ叩く。

「・・・まぁ化かすのが本職だから。おちょくられたんだよ、ちーほ」
「お、恐るべし妖狐の国・・・!」
「あ、今の字は当たってる」

ちーほの鼻から流れていた赤い液体が、目から流れていたとかなんとか・・・。




つづくというか、おわりというか・・・w
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