以前にも書いたことだけれど、中央から一律で送られてくるポスターの中でも、末端(という表現もどうかとは思いつつ)が貼りやすい、あるいは、貼りたくなるものと、そうでないものはあると思う。
これなんかは貼りやすいのか、けっこうみかける。
女性がこちらに向かって笑いかけているという図は、ポスターとして定番というか、芸がないといっていい。しかし、それは一般の商業広告のポスターとしての話であって、政治に関するポスターとしては異色といえるかもしれない。
政治のポスターでも笑顔が見られることはあるが、それはあくまで政治家本人が、自分は親しみやすい存在であることをアピールするためのものである。やりつけないことをやっているせいで、かえって胡散臭くなっていることもあるが、それはそれで味というものである。
政党のポスターなのに、特定されていない女性がこちらに笑いかけているケースは珍しい。それにそういう場合は、なにか言いたそうに思いつめたような表情をしていることが多い。
それなのに、この笑顔たるや、「毎月20・30日はイオンのお客さま感謝デー」ぐらいの、これからすごくいいことがありますよ、みたいな感じである。相当に変わっている。それだけに目につきやすい。訴求力は高いといえる。
さすがは共産党である。いろいろ内部で検討した結果、語るべきことが削ぎ落とされてなにも伝わってこないというか、そもそも編成された予算を消化するために作っているだけで、別に最初から伝えたいことなんかないような大政党には真似のできない芸当といえる。もっとも、狙ったわけではなくて、部署が適当に作った挙句、チェックがザルで抜け出てきただけのような気がしないでもない。そして、目は引くけれど、結局、なにが言いたいかはよくわからないままだったりするところもポイントが高い。そこがらしいといえばらしくて、相変わらずいい味出してんなと思うのだった。
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