昨日の午後に栄の愛知芸術文化センターで開催された集まりに参加して来ました。
まずは、名古屋大学の愛敬浩二教授によるお話。
非常にわかりやすくて、興味深い内容でした。
まず、日本版NSCと秘密保護法の制定理由はアメリカから情報を貰う為だけど、
そもそもアメリカにとって都合が良い情報しか貰えない。
それどころか、イラクの際のように真っ赤な嘘の情報を伝えられる事だってある、と。
そして、影に隠れて実に恐ろしいのが、共通番号制。
2016年1月頃から運用が開始される見通しとのこと。
その利用範囲は社会保障、税、災害…などとされているが、「別表方式」であり、いくらでも簡単に追加できるようになっている。
例えばテロ対策を理由に出入国記録を管理したり。
2014年3月7日の衆議院内閣委員会で、それを示唆する問答があったそうな。
「秘密保護法では、特定秘密を取り扱う者に対して、適正評価を実施することを定めています。適正評価の調査に関して、評価対象者に対し資料の提出を求めることができる、また公務所もしくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる、このようになっております。番号法の政令案には秘密保護法の条項はありません。番号付きの個人情報の資料の提出や報告は認められないということで理解してよろしいですね」
という質問に対して、政府側の参考人は
「特定秘密保護法第十二条に基づきます適正評価の実施につきましては、今後、その内容ゃ方法等の詳細についての検討が進められるものと承知してございます。したがって、特定秘密保護法第十二条第四項に基づきます資料の提出や報告の徴収における特定個人情報、番号付きの個人情報の取り扱いについても、その検討の過程において検討することとなると思っております。したがいまして、その検討が定まりました上で番号法の政令に規定するかどうかも決められるものというふうに承知してございます。」
と答えている。
つまり要約すると「都合が良いように後から何とでも解釈しますよ」だろう。
それにしても、詳細の話し合いは後からする、なんて。
馬鹿にするにもほどがあるってもんでしょう。
例えるなら、「とりあえず会社立ち上げた！仕事の内容は後から決める」って感じか？
順番があべこべなんてもんじゃない。
話を戻して。
10月6日の中日新聞の記事によると、なんと7割の自治体が住民基本台帳から適齢者の名前、生年月日、性別、住所の情報を防衛省に提供していたそうだ。
これに比べたらちょっと前に騒がれたベネッセの個人情報流出なんて可愛いもんでしょう。
名簿業者に情報を売るのは犯罪なのに、自治体が防衛省に提供するのは当たり前ってか？？
次に、集団的自衛権について。
まず前提として、過去に「集団的自衛権」が行使されたケースは、いずれも強国が自己都合で武力介入する言い訳としてに過ぎない、という現実があるわけで。
それを抜きにしても、自衛権行使の新3要件(2014年7月1日閣議決定)では
�，錣�国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、�△海譴鯒喀�し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、�Ｉ�要最小限度の実力を行使すること
と決められたようだが、そもそもこの�，乏催�する状況を誰一人具体的に想定できないシロモノである、と。
そして、特定秘密保護法について。
「秘密」の範囲の曖昧さは言うまでも無く、その期間も5年以内・延長可能で原則30年が限度とは言うものの、例外的に60年以上も可能ってんだから、これはもう開示しませんよっていう宣言だよね。
大学や研究機関の研究者は「現行法上」適正評価の対象にはならないが、「秘密知得者」として漏えい罪の対象になる、らしい。
仮に彼らの研究が、彼らが知らないところで軍事利用なんかされてた日には、うっかり飲み屋で研究内容を話しただけで漏えい罪。
おまけに同席してる人まで一緒にお縄かね？
日本は、内部告発者を守る環境も全然なってない。
海外では例のスノーデン氏は「市民に有益な秘密を暴露した英雄」という扱い。
日本では「親分の秘密を暴露するなんて、とんでもねえ恩知らずだ」なんていう、的外れな考えがまだまだ根強いよね。
ログインしてコメントを確認・投稿する