雇う側も、小さいところだと「シフト」というものが、どういうものなのかわかってなかったりする。
うつ病で会社をやめた後、しばらくしてワタシは近所の本屋さんでアルバイトをすることにした。
「アルバイト募集」の貼り紙をみて、「履歴書を持ってきて」と言われたので持参すると、本屋のオジサンは「じゃ、いつからこれますか?」と言った。
当時、うつ病のど真ん中だったワタシは「自分も何か働かなくては!」と頑なに思い込んでいたので、「明日からでも結構です」と答えた。
すると、本屋のオジサンは「まず、1日は店の一日の流れをみてもらいます。それは無給。その後100時間までは試用期間で時給は600円(当時でも異常に安かった)、その後は時給700円(これも安かった・・・今思うと最低賃金割ってたんじゃないか、と思う。ちなみに『1日無給』も多分違法である)」といった。
その本屋さんは商店街の中にあったので、開店10時〜閉店8時だったが、開店前に当日運ばれてくる新刊本の山を店内のものと入れ替えていく・・という作業があるので、実質9時はじまりだった。
* * * * *
その本屋さんは夫婦とアルバイト5〜6人でまわしていて、その中の3人くらいは学生で、もう一人は主婦だった。
本屋の奥さんは最初の挨拶をするなり「ウチはシフト制だから!」と言った。
シフトを組むのはその奥さんなのだが、シフト表は一週間前にならないと出てこない、という。
内心「なんじゃ、そりゃ」とおもったが、うつ病のワタシにはそれを突っ込む余裕はない。
初めて「シフト表」なるものを渡されたとき、ワタシは目をむいた。
「こ、これは・・・シフトなんてもんじゃないですやん・・・」
ワタシは面接のときに「自宅が近いから閉店までいれる。希望する曜日も特にない」とは言った・・・が。
「シフト」というよりは、「あるもんを片っ端から入れて、その隙間にまた人を詰め込んだ」みたいなモノだった。
一日10時間働く日があるかと思うと、2時間くらいの日もある。
2日いったら3日休みとか、そんなんだった。
「よく他の人は文句をいわないもんだ・・・」と思ったことを覚えている。
結局そこは、すぐにネを上げてやめてしまったのだが、あれは強烈だったなぁ・・・。
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