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2014年11月21日11:24

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イタリア旅行記ラスト

さてイタリア最終の地、フィエーゾレ。ヴィラ・サン・ミケーレのレストランでの朝食会場は、もと礼拝堂です。

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ビュッフェコーナーにあれこれおいてあるものをとって、回廊の席で外を見ながらいただきます。
パンは盛り合わせを置いていってくれて、あとは卵料理とカプチーノを注文。卵はベーコンエッグにしておきました。

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ここでは朝食そのものももちろんですが、何と言ってもロケーションがごちそうです。
こんな風景の中で優雅にご飯を食べることってもうないだろうなあ……

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フィエーゾレ滞在中は優雅な五つ星ホテルを満喫しで過ごしましょう。……と思ったんだけど、
敷地内のお散歩も十分美しく楽しいけれど……

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一通り見て回ったらあとはお出かけの虫が騒ぎだしたので、
またもえっちらおっちら山道を登ってフィエーゾレの町へ出ることにしました。
といっても、車道30分はもうたくさんなので、ダンナが見つけてきた近道を行きます。

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え、ここ?こんな道を行くの〜〜?
まあいいか、ここだと10分で通り抜けられるらしいし。
(朝一人で確かめてきたとのこと。ようやる!)

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誰も通らない。悪い人がいきなり出てきたらどうするの。不安……

どきどきする気持ちをおさえて獣道みたいな急斜面を登りつづけたら、おお、何とか住宅地に出たぞ。

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ここには、ローマ時代の円形劇場(テアトロ・ロマーノ)とテルマエ・ロマエ……大浴場のあとがあるというので行ってみようということに。
入場料を払ってはいってみると……

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なるほど、これが円形劇場。紀元前一世紀半ごろにつくられたそうです。キャパは2500人。ローマのコロッセオを小さくしたような感じですが、緑の中にある分、こっちのが雰囲気あるかも。今でも現役でオペラ等が演じられることがあるとか。

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ローマ風呂。ルシウス設計。
じゃないけど、イタリア人てほんとにお風呂好きだったのね。
お芝居や競技やお祭りと、お風呂。かつての娯楽施設の名残は、たぶんそれなりに優雅だったのであろう人々の暮らしを彷彿とさせてくれます。
実はフィエーゾレは、12世紀にフィレンツェに征服されるまで、この辺り一体を統括していたのです。エトルリア人が起源前6〜8世紀に住み着き、街を築き、そののち紀元前1世紀後半にはローマ人が住み着きました。そして、ローマ人の大好きな円形劇場とお風呂が築かれたわけですね。

敷地内にある博物館では発掘された焼き物等が置いてありました。
展示品は、紀元前のものとは思えないぐらい美しいものが多く、保存状態の良さにびっくり。エトルリアの壺が優雅で美しかったんだけど、動物たちのフォルムもなかなかです。
時代は進んでも、この美しさ優雅さは永遠ですね。実に滑らかで清らかです。

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さて、てくてくヴィラへの道を帰り……
(急な山道は下りのほうが怖いのだ。にしても、なんで私たちは高いお金を払ったヴィラでじっと優雅に過ごしていられないのであろうか)
……回廊のテラスから見れば、下界はもう水色の夕暮れに沈んでいます。
この憂鬱なひとときが大好き!

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今日の夕食は、朝食の時と同じ、オープンエアの回廊でいただくことになっています。

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庭に近いところにはピアノが置いてあって、ピアニストが優雅にポロンポロンと。
ウエィターが「食前に何かお飲みになりますか?」
ダンナ「じゃあシャンパンを」
ひぇー、ここをどこだと。それがいくらだと。何も見もせずに、と、貧乏根性が顔を出すけど、もういいや、と開き直ってカクテルコーナーの席に案内されましたらば。
黄金色に輝く泡立つシャンパンと、
それについてきたナッツ類、チップスの山、オリーブ盛り合わせ、オープンサンド、サラダがテーブルせましと置かれ、そのあまりのボリュームにびっくり。食前酒についてくる軽食のことをStuzzichino(ストゥッツィキーノ)といいますが、こ、これは手強い。
こっちはダイエット中でほぼ夕食は日本では抜いてきたし、毎日トマトベースの軽いモノ食べてるから胃も小さくなっているし……
でも周りでは着飾った皆さんが当然のようにストゥッツィキーノを平らげながらおしゃべりに花を咲かせています。
えいもったいない、全部食べるぞ。むしゃむしゃ。

……しまった、満腹だ。
「そんなに食べるから……」とダンナ。
「そっちが食べないから頑張ったんじゃない。勿体ないし」
ディナーのコーナーへ案内され、メニューを渡されます。
何しろ日本から予約したんだから正式に……
アンティパスト・プリモピアット・セコンドピアット・ピアットウニコ・スタジオーネと……いやいや、そんなことしてたら身が持たないわ。正直、そんなコース通りに頼まなくても文句は言われません。
自分が頼んだものとしては、赤ワインとイセエビのクリームパスタ、何かのスープ、野菜のグリルぐらいしか覚えてないんだけど、二人で頼んだものはすべて二つのお皿にシエアされ、山盛りのパンもとん、と置かれます。
なんだかんだで季節の野菜のグリルが一番おいしかった!甘くて濃厚で。
周囲を見ると、回廊レストランはにぎやかにほぼ満杯。セレブの社交場みたいな感じになっておりますね。
女性はみなきれいに着飾っているんだけど、男性はスーツ姿の人もいれば、Tシャツ姿もいたりもするんです。でもラフな人ほど常連のようで、オーナーと気さくに笑いながら話し込んでます。ここでは東洋人はほとんど見かけませんでした。
回廊には窓ガラスはなく、ビニールのカーテンのようなものがあるだけ。気温が下がる11月以降、このホテルは休業しちゃうとか。
闇の向こうにはフィレンツェの夜景がきらきらしています。
ダンナは念願の「キアナ牛のステーキ」なんてものを頼んでしまったんですが、ウエィターに
「あの、これは相当なボリュームがあるので、二人前強には相当するかと……」といわれても「いや、かまいませんから」
かくてやってきたのは、銀色のワゴンに乗り、じゅうじゅうと音を立てる巨大な肉塊。
その場で切り分けて、お皿に乗せてくれます。ああ、ペコペコの空腹でこれを食べたならどんなに幸せだろう!でももう、七割がたお腹はふさがってる。
でもおいしい。でももうおなかが……
そして、この肉には付け合わせというものが別皿であり、それぞれにあったかいひよこ豆と山もりのサラダと……

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あ―おいしいねえと強がりを言いつつ肉を自分の分だけ食べた彼は、付け合わせのあれこれを見やって「僕これ無理」
おい。目の前には、切り分けてなお残った肉がどんとおいてあるんですが。
「僕それも無理かも……」
……何で頼んだっ!(涙目)
ええ、わたくし食べましたよ。もったいないお化けが出ますもん。本来胃はおっきいんです。豆もサラダも残ったお肉もね。お肉は中心に骨があって、周りに肉が残ってるだけでした。この肉がまたなかなかおいしくて……

限界。

にこやかにテーブルを離れ、ウエィターにグラーツェとあいさつをし……
ふらふらと部屋に入り、上着を脱いだとたん、
ぶちっ。
音を立ててスカートのホックが飛び、足元にすとんと、黒いひまわりのようにベロアのスカートが落ちて広がりました。
オーマイガーッ!
これがっ、これがあのレストランで立ち上がった途端起きていたらっ!
多分イタリアの旅のすべての印象は「尻丸出し事件」にかき消され、サンミケーレではみっともない東洋人の珍事として長く語り継がれたであろう。
教訓。胃と体のサイズが違う白人の皆さんと同じ食事をしてはいけませんっ!

さて、翌朝。
チェックアウトする際、オーナーににこやかに
「短いご滞在で残念でしたが、次はどうぞごゆっくりと」と言われてしまった。
こんなエクスペンシブなところに二泊しただけでも精いっぱいでございます!
高級車連ねてここに長期滞在している人たちは、多分このきらびやかな宿を定宿にしても懐の痛まないセレブさんたちなんだろうなあ。

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再び送迎の車に乗り込んで、フィレンツェ空港まで向かってもらいます。
さよなら、サンミケーレ。また来るときはあるのだろうか……

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フィレンツェからは空路でローマ空港に飛び、そこから大嫌いな飛行機での長距離移動開始!

重症の閉所恐怖症のわたしにとって死の恐怖にも等しい飛行機での11時間。(それでも行きより帰りのほうが時間は短い。追い風とかいろいろあるし)
ローマ空港でお守り代わりにフクロウのぬいぐるみ購入して、
酔い止め薬飲んで(禁断の酔い止め。実は私これ飲むと24時間フラフラ状態になるんです)飛行機にプルプルしながら乗り込んで、座席に座り、ああ神様、と思い、……あとは記憶がない。
離陸の記憶さえも。
どすん、と衝撃を受けて目を開けたら、成田でした。

……すごい。あれ、機内食は?

あっ、隣から揺さぶられて目を開けて、愛想のないキャビンアテンダントにイタリア?ジャパン?と聞かれ、ジャパン、と答えたらとってもまずい日本食を置かれ、うえええおいしくない、と思いながら甘ーい焼き鳥食べたのを思い出しました。そのあとまたがくっと爆睡したらしい。
普段は飛行機でなんて一睡もできないのに。
それなりに楽しんでいたつもりでも、きっと旅の緊張が身体の中にたまっていたんだな。

ここで、これからイタリアに行かれる方への情報です。
両替は、何と言っても郵便局のレートが一番いいです!
換金率がいい順に、郵便局>銀行>町の両替所>ホテルのフロント>空港、かな。
ダンナに言わせると、ベネツィアのサンマルコ広場脇の両替所とフィレンツェの郵便局では、日本円にして5万円かえて、5000円ぐらいは差があったそうです!ひぇー。
でも、フィエーゾレみたいな田舎町の郵便局では両替はしてくれません。都市部の大きな郵便局でないとね。
田舎町で困ったら、銀行のATMを使うのがいいかも。道に面して無造作に両替機が置いてあります。BANCOMATと書いてあるのがそれ。
(でも、カードを飲み込んで二度と出してくれない、というトラブルがたまに起きるらしい)
カード突っ込んだら、言語を選択する画面が出てきます。英語を選ぶと、当然後の指示はみな英語。暗証番号、金額、紙幣の選択とどんどん指定されるので、いちいち緑の「確認」ボタンを押しながら粛々と進んでください。
あと、最後に無事お金とカードが出てきたら、カードは30秒以内にとらないと取り込まれちゃうそうなので注意です!

今回体調崩さずに最後まで楽しめたのは、なんといっても現地のスーパーを大いに利用して、体に無理のない食事をしてきたからだと思ってます。
昼間は外食して、夜は軽めに、トマトやサラダ(と赤ワイン!)中心で。朝も、スーパーで買ったチーズや果物やハムで十分贅沢しました。量り売りの野菜や果物を買うときは、そこらにぶら下がってるビニールの手袋はめて(ここ大事)一種類ずつ袋に小分けして、表示してある野菜番号を記憶してください。選んだらデジタル計測器に乗せて、さっきの番号を打ち込んで、出てきた料金シールをそれぞれのビニールに貼ります。
買い物ひとつとっても、ゲームのように楽しく、そして買った野菜や果物もハムもみな新鮮で美味でした。ぜひ利用してくださいね!

最後に、今回お世話になった旅行代理店は、イタリア旅行専門の「ラーナツアーズ」さんです。
フィレンツェ在住経験のある方が代表で、細かい希望もきちんと聞いてくれ、きめ細かい対応をしてくださいました。
おかげさまで、個人では取るのがむつかしい小さなB&Bも五つ星のラグジュアリーなホテルもスムーズに取ることができ、思い通りの旅ができました。
ありがとうございました。イタリアに行かれる方、ここはお勧めですよ!
この長ったらしい日記が、イタリア旅行を考えている方の参考になることがあれば幸いです。
どこにとまってもイタリアはそれぞれに楽しいです。
でもくれぐれも、食べすぎにはご注意。
チャオ!

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