治癒〜青梅青空音楽ライブ

左手の中指の腹にできた、イボというのかタコというのか、皮膚の塊が取れないのだ。
ほおっておくと大きくなる。
風呂上りに、ふやけたところを時々噛みちぎって小さくするけれど、またやがて成長する。
医者に行かないといけないのかもな、抗生物質とか飲むのかな、なんて思いながらはや一年以上。

青梅のライブへの参加が決まり、そんな指のまま、休みのたび、しこしことカラオケボックスで練習。
今回はギターでやろうと思ったのです。全弦押さえた時の左手中指が痛い。
こんなんでできるのかな、なんて思っていたある日、あることに気が付いたのでした。

弦の鉄粉で黒ずんだ指のイボが心なしか小さくなっている。

初めは気のせいかな、と思っていたけれど、日を追うごとに患部が確かに小さくなっているのでした。
どうも、鉄粉に殺菌作用があるらしい。そうとしか思えない。

先日、青梅でのライブは、楽しかったです。
お久しぶりの方々、初めてお会いする方々の前で、ギターに悪戦苦闘しながらも、なんとかやり遂げました。まあ、笑ってもらってなんぼの自分のライブ。結構受けた、よかった。

出番終え、秋の陽光の中、他の方のステージを見ながらぼっとしていると、ふいに肩から力が抜けていくのを感じたのです。今までの長い時間の緊張がふいに溶けていく感覚。

どれだけの時間を、俺は気持ちの障壁を作って生活していたんだろうな。

こういうのも、治癒、というんだろうか。

家に戻って、風呂で中指の腹を見ると、患部はきれいな肌色に戻っていました。