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2014年10月03日19:33

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最近、考えたこと。Part0001-1


 「ニュー・ワールド・ウォー(まだ名は無い)」が始まって一月。ウクライナでは表面上、停戦が成立したが、戦いがやむ気配はだれがみても皆無。昨日、ロシア軍がドネツク国際空港への総攻撃を開始。スイス人赤十字職員を含め多くの犠牲者が出ているようだ。くっされ!何が停戦だ!ロシア軍が攻勢部隊を集結補充するための時間稼ぎであることは見え見えじゃないか!そうじゃないならなぜ空港を取る必要がある?湾岸戦争の戦例に従えは、大規模侵攻部隊の準備集結はほぼ半年で完了する。すると全面侵攻は来年初頭、おそらくは二月って事になる。厳寒期にガス供給を停止して、ウクライナ全土を麻痺状態に落とすのと同時に始める気か。プーチンの考えそうな手だ。クッサレ!

 ここ一月、戦争が気になっちゃって試験直前なのに勉強もできない。そこで少し、この戦争についておいらなりの分析と展望を書いてみたい。よかったら読んでみてほしい。

 まず、ウクライナ紛争を例にとって対立の構図を整理しよう。ウクライナ紛争は直接的にはEU(欧州連合)加盟を望む西部の国民に支持されたウクライナ政府と東部ウクライナ領のロシアへの併合を求めるロシア系ウクライナ人テロリストとそれを扇動支援するロシア連邦軍との対立だ。
 
 大筋を簡略化をすれば「ウクライナ政府vsプーチン・ロシア独裁政権」となる。仕掛けたのはありありばればれでプーチン独裁政権。その主張は、「ウクライナは昔、ロシアの属国だったんだから元の属国に戻るか、国土の半分をよこせ!」というもの。・・・。ヒトラーでもここまで言うか?というほど無茶苦茶な話。ウクライナ政府にすれば飲めるわけがない、戦うしか生き延びる方法はない。そこで外部に支援を求めて、EU(欧州連合)と急接近している。

関係の強弱はあるがウクライナ政府にはEU(欧州連合)とイギリス・アメリカが付き、プーチン・ロシア独裁政権にはチャイナ共産党軍事独裁政権とベラルーシやカザフスタンなどのロシア従属国が付くというのが大まかな大枠の対立構図だ。EUは世界最大の軍事同盟NATOと実質的には一体の組織だからウクライナ側を「同盟国(ザ・アライアンス)」、ロシアの最大の外交資産は中露の枢軸関係だからロシア側を「枢軸国(ザ・アクシズ)」と定義する。

 え、日本は?と当然の疑問が出てくるが、酷い話だが、それはこれから決まる。一刻も早く同盟国に加盟するべきなのに親ロ派の安倍総理と森元総理、それに菅官房長官が政府全体の政策を攪乱して、外交的な大混乱に陥っている。立ち位置的には第一次世界大戦中の立場によく似ているように見る人が多いが、大大大大大勘違いで現実の状況は日本の歴史上最悪と断言できるほど途轍もなく悪い。第一次世界大戦中、日本は世界5大国のひとつで世界3大海軍国のひとつだった、北(朝鮮・南満州)と南(台湾)に一つずつ、橋頭堡を持ち世界最強の大英帝国と対等の同盟条約を結び明治立憲制度に元ずく強固な独自の法制を維持していた。良し似付け悪しき似付け、完全な行動の自由があり、自分の運命は自分で決められた。

 だが今は、世界三大経済大国の一つだが出生率の低下による半永久的な大不況の真っ最中。東京オリンピックまでにはインドとブラジルには抜かれるだろう。すでにこっちの橋頭保どころか、沖縄と北海道に中露の橋頭堡が築かれつつあるのさえ自覚できない状態で、敵前逃亡的後退を始めたアメリカと日米安保という従属的保護条約を結び占領憲法の改正さえできずに政界どころか今や自民党と霞が関さえ液状化している。チャイナが海軍大軍拡を開始し、ロシアが2000発の水爆で日本を核包囲下においてるこの状況でだ!目の前暗くなる。すてに安倍自民党政権は北方領土の全面放棄交渉を開始、出生率の低下による半永久的な大不況を緩和するためにチャイニーズの無制限移民の導入を計画中。なのに誰も止めようとしない。正気か!真面目な話日米安保が破棄されれば同時に日本国は滅亡するだろう。景気対策?東北復興?土石流対策?ちゃんちゃらおかしいその前に自国が亡びそうだっチューの!ま、いい、その時が来ればいやでもわかる。いやでもね。それより今は大枠の分析を続けよう。

 まず押さえておかなければいけないポイントは今次大戦が東西冷戦の再開、第二次冷戦(セカンドコールドウォー)ではないという事。確かに西側(自由主義陣営)と同盟国、東側(全体主義陣営)と枢軸国と構成国は重なることが多い。が、イデオロギー戦争ではないという事が決定的に異なっている。東西冷戦はいうなればマルクス・レーニン主義つまり共産主義というボーダレスなカルト宗教の布教戦争だった。布教に成功すれば相手は内部から自壊するので、必ずしも武力行使を必要としなかった。

でも、今度は違う。各国はそれぞれ国内を統治するためのイデオロギーをそれぞれ持っているが、東西冷戦の様に外部に向かってそれを広げようとはしない。ボーダレスなイデオロギーからボータフルなイデオロギーへと静かにしかも強力に世界各国で思想的転換が進められている。よって今次大戦における思想的闘争はそのまま経済力と武力を使った領土および影響圏への拡張競争へと容易に転化する、つまり武力行使への発火点が冷戦期に比べて遥かに低くなるのだ。

固有イデオロギーが平和的ならともかく、攻撃的・侵略的イデオロギーを民族固有のイデオロギーとする国家は特にこの影響が顕著に出る、具体的に言えば「ロシア・メシアニズム」のロシアと、「大中華思想」のチャイナだ。このハートランドと極東リムランドとの結合はおそらく「モンゴル帝国時代」にジンギスカンによって提唱された「世界征服思想」に基づいて形成されたものだろう。すると次はイランだとわかる。「正統(シーア)派イスラム原理主義」は国土の大半が内水系という地政学的特性とあいまってイランを枢軸国側に近づけるに違いない。すると、イランを橋頭堡とする枢軸国はアラビアで「律法(スンナもしくはスンニー)派イスラム原理主義」勢力と提携関係に入るのは必然で、これが現在売出し中のテロ組織「イスラム国」の正体だろう。行政・軍事情報と人員はアメリカによって壊滅させられたバース(アラブ復興社会)党からリクルートしたに違いない。ボーダレスなイデオロギーから「解放された」ランドパワーはいまやどんな種類の勢力とも提携・取引が可能になった。多くの日本人にはこの危険性がよく理解できないだろうが、物凄く危ないのだ。たとえは、過疎に悩むとある地方都市に移民してきたチャイニーズが集まり、突然、日本国内に○○○チャイナ自治共和国を建国しチャイナから武器供与を受けて、日本政府と日本国民対してイスラム国式の猛烈な無差別自爆テロを仕掛けてくることさえあり得るのだ。オウム事件どころの話じゃない、ウクライナみたいに戦車と対空ミサイルで武装されたら機動隊なんぞ5分で皆殺しになるぞ!大切なことなのでもう一度いう、今次大戦は冷戦の再開ではない、ボーダフルなイデオロギーとボーダレスな提携・取引が複雑に組み合わさった全く新しいタイプの世界戦争であることをしっかり確認しておこう。

 次に、重要なのは今次大戦における対立軸は何かという問題だ。枢軸国(ザ・アクシズ)vs同盟国(ザ・アライアンス)の対立であることわかっている。では、枢軸国とは、同盟国とはなんなのか、それはランドパワー(陸軍国)とシーパワー(海軍国)であるという事。これが基本的な事実。ランドパワー(陸軍国)とシーパワー(海軍国)は地政学的に異なった外交政策をとるためにほぼ正反対の社会的理念とイデオロギーを持つ。具体的には下記のようになる。
 
ランドパワー(陸軍国)≒農業的社会≒権威主義的社会≒管理主義的社会≒土地・資源主義的社会≒血縁的階級社会≒官僚制社会

シーパワー (海軍国)≒商業的社会≒自由主義的社会≒競争主義的社会≒金融・資本主義的社会≒地縁的市民社会≒民参政社会

 もちろん、これは基本理念であるため、実際はこれ程スッキリとは別れない。たとえは明らかなランドパワー(陸軍国)であるドイツがEUの中核として同盟国に参加したり、元来シーパワー(海軍国)であるべき日本が大東亜戦争を引き起こして英米を裏切ったり、色々あるが、国際政治学的には基本的にそう分析する。

 歴史に範をとればランドパワー(陸軍国)の典型はモンゴル大帝国、シーパワー(海軍国)の典型は大英帝国がこれにあたる。モンゴル帝国の活動基盤はハートランド(内水系地域)であり、大英帝国の活動基盤はグローバルシーレーン(地球周回航路)にあった。現在の世界はモンゴル帝国と大英帝国が同時に存在しているような状態であり、それがこれから直接対決をする。ランドパワーがグローバルシーレーンを分断すればランドパワーの勝ち、シーパワーがハートランドを分割すればシーパワーの勝ち。ランドパワーは同時に複数の国家が共生できるが勢力・領土・資源はそれぞれ独占する。シーパワーは覇権を握る国は常に一つだが、勢力・航路・資源を必要に応じて共用する。そして大切なことだが、シーパワーは決して同時にランドパワーを兼ねる事が出来ないが、ランドパワーは容易にシーパワーを兼ねる事が出来るという点だ。つまり、ランドパワーとシーパワーの対決においては本質的にランドパワーが圧倒的に優位にあるという事。実際、歴史的に見て英国は同盟国なしではドイツひとつ制圧できなかったが、モンゴルは単独でマリンロードとアジア地中海を容易に制海し、イランへ大艦隊を送り込み、日本・ベトナム・インドネシアへ海上から軍事侵攻した。したがって、シーパワーがランドパワーの侵略を防ぐためには常に攻勢作戦を継続し、相手を包囲し続けなければならない。一か所でも突破されれば、破滅的な結果になる。スペイン無敵艦隊を打ち破った海賊王キャプテン・ドレイクのいう通り、「島国の最終防衛線は対岸の港の裏にある」のだ。繰り返すが、今次大戦においてはランドパワーが本質的に優位を持つ、それを忘れてはならない。


第三の問題は同盟国側、特にアメリカの軍事的後退だろう。これはアメリカの超大国としての国力問題ではない。アメリカの超大国としての地位は最低今後50年間はどう考えても不動だ。問題はイデオロギー的なもので、はっきり言ってしまえばオバマ政権はユーロソーシャリズム(欧州社会主義思想)のアメリカ上陸であると同時にアメリカ固有の思想であるモンロー主義(対外不介入主義)への回帰運動が生み出した政権であるという事。余り知られていないことだがオバマ政権はチャイナが海軍大軍拡真っ最中なのにアメリカ海軍の大軍縮を実行中。冷戦期、600隻体制だったアメリカ海軍は今やなんと280隻!半減してるのだ。いくら、質が違うとはいえ減らしすぎだろ。最低あと、2年半は軍縮が続くのは明白だから、たとえアメリカ次期政権が即時に米海軍が再建に踏み切ったとしても実戦配備にはふつう2年半かかるのでこれから五年以上は極東戦域の軍事的空白が続くことになる。背筋が寒いのは俺だけか?現在、チャイナ海軍は海南島の三亜に大海軍基地を構築し主力を南シナ海に集中してベトナム・フィリピン・マレーシア海軍を武力制圧しながら南シナ海制海作戦を実行中。「九段線」といわれる国際法まんま無視した無茶苦茶なラインを海上に勝手に設定して南シナ海全体の自国領化を進めている。諸資料によると、南シナ海の次は東シナ海と尖閣・八重山諸島、次が台湾、次が沖縄、次がインドシナ半島特にタイ王国、その次が韓国・九州という計画になっているらしい。2040年までに沖縄を、2060年まで韓国・九州を制圧する予定になっているそうだ。まじかい!「島国の最終防衛線は対岸の港の裏にある」海賊王の箴言の正しさを思い知らされることになりそうだ。対抗策はただ一つ、間の海、日本の場合には日本海、対馬海峡、東シナ海、台湾海峡を制海しつつ、空軍力(エアパワー)を大増強するしかない。ナチス・ドイツに襲われたイギリスがこれで助かってる。そのかわり、日本中がすでにチャイナとロシアの射程距離内なので空襲は決して避けられなし、潜水艦による海上封鎖もおそらく避けられないだろう。勝っても負けても、第二次世界大戦後のイギリスの同様に国費を蕩尽しきるに違いない。戦例(戦争の歴史における事例)はそう教える。戦後70年間もアメリカ海軍の圧倒的優勢に胡坐をかいて経済成長という名の利権漁りに終始して外交も国防もデタラメ放題してきた来た付けがやってきた。早急に、日米同盟を強化して、国内の法制を再建し、対抗軍拡に踏み切らなければ負けは確定。ウクライナ同様戦うしか生き残るすべはない。くっされ!アメリカが撤退した中東ではイランの核武装が2020年までには完成するので中東への攻勢的派兵は不可能になるだろう。エネルギーバランスも主戦場になるに違いない。悪いこと多すぎ!

 当たり前だか、同盟国側が勝利するため、少なくとも壊滅を避けるためには超大国アメリカの参戦が必要不可欠であり、そのためにはあらゆる手段を使ってモンロー主義(対外不介入主義)の不当性をアメリカ国民に訴え続けるしかない。だが之が途轍もなく難しい。だって、アメリカの超大国としての地位は安泰なのだ。アメリカ以外の同盟国側が壊滅したとしても数十年は持つだろう。建国者ワシントンの遺言をこの状態で否定するのは冷戦初期でさえチャーチル卿の「鉄のカーテン演説」を始めとする大英帝国が一団となった働きかけが必要だったのだ。同盟国側の存続はワシントンで決まる。嫌でも何でもだ!

今、わかっている点は以上の三つ。纏めると、

��.今次大戦、枢軸国(ザ・アクシズ)vs同盟国(ザ・アライアンス)の対立は冷戦の再開ではなく、全く新しいタイプの世界戦争であること。

��.対立軸は、ランドパワー(陸軍国)vsシーパワー(海軍国)であり、枢軸国(ザ・アクシズ)はモンゴル大帝国の、同盟国(ザ・アライアンス)は大英帝国の活動基盤を継承しており戦略理論から考えて、ランドパワー(陸軍国)が基本的優位にあること。

��.アメリカは現在、建国の理念であるモンロー主義(対外不介入主義)に回帰しつつあり、超大国としての地位が当分安泰という現実ともあいまって軍事的後退を続けている。しかし、同盟国側が壊滅を避けるためには超大国アメリカの参戦が絶対必要不可欠であり、構成国、特に日本とイギリスがこれを防止するための外交的・軍事的代行及び工作をせざろう得ないということ。つまり、俺たち日本人はすでに国ごとフロント(最前線)にいるってことさ。くっされ!


現状分析の次に、今後の国家戦略についての解説につきどうしても説明しておかなければならないことを2つ。一つは海軍戦略の基礎理論について、もう一つは国際政治学の最重要理論である地政学(地理政治学)について。

 まず、海軍戦略の基礎理論からいこうか。まず覚えなくてはならない事は「海軍力とは基地力+艦隊戦力」であるということ。これがわかってない人が多すぎ!艦隊運用するために基地があるのではなく、基地と基地間の航路を守るために艦隊があるの、明治時代までは全国民周知の事実だったのに大正時代に入るとまるで民族的健忘症にかかったように誰も思い出さなくなった。おそらく、ロンドン・ワシントン両海軍軍縮条約時の「条約派vs艦隊派」の対立がこの基礎理論を日本人が尊重した最後だったに違いない。結局、艦隊派が勝利して条約派が壊滅し「そして誰もいなくなった」状態になった。当たり前の話だか、条約派とは基地主義の有能な正統派海軍士官達のことで艦隊派とは基地力を忘却した異常なスーパーバカ士官集団のこと。そして、国内の全体主義者とタイアップした艦隊派の主導であの戦争は始まった。山本五十六と南雲忠一はパールハーバーを奇襲しながら、その占領を考える事さえしなかった。おかげでそのパールハーバーから出撃したスプルーアンス提督の第16機動部隊に主力の第一航空艦隊をミッドウェイで潰されて日本の勝ちはなくなった。あほか!小沢冶三郎なんてもっと酷い。なんと、守るべき、マリアナ諸島の基地を囮に使って自分は西方海上へ敵前逃亡した。おかげて、小沢艦隊のパイロット達は途轍もなく遠距離から味方の援護へ行かなければならず、元気いっぱい待ち構えていた米軍機の攻撃を受けて文字通り全滅した。世にいう「マリアナの七面鳥打ち」の悲劇だ。あげくに、側面のニューギニア方面から来た敵潜水艦に最新鋭をふくめて3隻の空母を撃沈される始末。あっけ、・・・。ちなみに、マリアナでは何の援護も得られず孤立した陸軍部隊が補給を絶たれた上に米軍に各個撃破され60000人が戦死、民間人30000人が犠牲になり、その後整備されたアメリカ戦略空軍基地からの空襲で内地の民間人およそ60万人が殺害された。おまけに敵前逃亡の上、部下と味方を全滅させ国民を爆弾の雨の中に叩き込んだこの男はその後もレイテで空母4隻を喪失、台湾で敵を逃してデタラメ戦果を発表、沖縄で戦艦大和を特攻させた挙句に、自分は何の責任も取らずにのうのうと昇進を続け、最後は連合艦隊司令長官になって戦後も生き延び、天寿を全うした。。。。「艦隊派」がどんだけクレージーな連中かみんな少しは判った?最小限度の海軍戦略さえ無視する異常なインチキ提督が国民をどんな目に合わせるか筆舌に尽くしがたい。二度と「狂気の艦隊派」を台頭させてはならない!そのためには国民一人一人が最小限度の海軍戦略の基礎理論を常識の一つとして熟知しておくべきだ。以下の記載がそのために少しでも役立ってくれれば幸いだ。

 海軍力とは基地力+艦隊戦力だと書いた。基地力とは基地の機能と基地間の移動経路の保持力の事。これを守るために艦隊戦力がある。重要性はハッキリ基地力>艦隊戦力。なぜか?それは簡単、艦隊は基地がなければ維持できないし無用の長物だが、基地は艦隊戦力が無くても維持できるし利用価値があるからだ。海軍基地は要塞化等の軍事的防備を別にすれば単純に港湾施設であり貿易にも産業・交通拠点にも軍事的・移民的揚陸拠点にも使える。シンガポールや香港が大陸周辺の小島に過ぎなかったのに大英帝国海軍の海軍基地が置かれた事によって世界的な貿易・産業拠点である大都市へと発展したのはその典型だろう。そして、シーパワーの力の源泉はこれらの海軍基地によって本国と世界を結びつけるネットワークであり、大英帝国時代でいえば英国はポーツマス→ジブラルタル→マルタ→スエズ→アデン→カラチ→ムンバイ→コロンボ→コルカタ→アダマン諸島→マラッカ→シンガポール→ブルネイ→香港→上海→キリバス→フィジー→シドニー→ウェリントン→クック諸島→フォークランド諸島→ゴフ島→ケープタウン→セントヘレナ島→アセッション島→パルパトス島→キングストン→ナッソー→バミューダ諸島→ハリファクス→ポーツマスとぐるーーと世界一周で地球を包囲する海軍基地網を持っていた。これが「帝国回廊」と呼ばれたグローバルシーレーン(地球周回航路)、「日の没することなき大帝国」ってやつだ。しかもこれ鉄道みたいに複線になっていて、その上多くの重要な支線を持っている。アデン→マスカット→アブダビ→ドーハ→バーレーン→クウェート→アバダン→バスラなんて支線は世界のエネルギーのほぼ半分を賄っている。海軍戦略の基礎理論では当該海域に敵対的勢力が海軍基地を持っていない場合、その海域に面する海軍基地には艦隊戦力を配備しないのが原則。「帝国回廊」でいえば、大東亜戦争が始まるまではスエズ→アデン→カラチ→ムンバイ→コロンボ→コルカタ→アダマン諸島→マラッカ→シンガポールまでは艦隊戦力は存在せず、必要時にはシンガポールから東洋艦隊が出撃し、決戦時にはポーツマスから出撃した本国艦隊が合流する手はずになっていた。これが、「基地は艦隊戦力が無くても維持できる」という意味だ。

 繰り返すが海軍戦略において重要なのは戦略的要地にある基地とそれをつなぎ合わせる航路であり、艦隊戦力はそれを維持もしくは破壊するための手段の一つであり、マレー沖航空海戦やUボートによる海上封鎖を見ればわかるように、現在の軍事技術では、このほかにも航空兵力と潜水艦戦力がある。おそらく、近いうちに接近阻止戦略に基づいて、厄介なことだが弾道弾戦力も加わるだろう。一言で云えば「基地と航路を守れ!」だ。これを制海権(シーコントロール)とよぶ。この制海権をめぐる戦いが海戦の本質であり、これには以下の4つの戦いがある。

  海軍部隊の基本任務                

� �地上基地攻撃任務(フリートアゲインストシェアー)

主として海兵隊(マリーンズ)が担当。空母機動部隊や戦艦等艦砲射撃部隊がこれを援護。

�◆�地上基地防衛任務(フリートアゲインストフリート)  

主として海兵隊(マリーンズ)及び空母機動部隊が担当。戦艦等艦砲射撃部隊や基地航空隊がこれを援護。

��、SLOC(海上通商路)攻撃任務           

主として潜水艦隊が担当。空母機動部隊や戦艦等艦砲射撃部隊及び基地航空隊がこれを援護。

�ぁ■咤味錬�(海上通商路)防衛任務           

主として対潜駆逐艦隊(船団護衛部隊)が担当。空母機動部隊や基地航空隊及び潜水艦隊がこれを援護。

 ちょっとビックリしたでしょ。海軍の主兵力は戦艦でも空母でも基地航空隊でもなく海兵隊(マリーンズ)だってこと。考えてみれば当たり前。制海権(シーコントロール)を取るためには航路を取らなければならない。航路を取るためには基地を取らなければならない。基地を取るためには敵の猛攻撃下で強襲揚陸(上陸)できる精強な地上兵力が絶対に必要となる。これが海兵隊(マリーンズ)だ。海兵隊(マリーンズ)は基本的にアメリカ軍の方式だが、他の海軍国では陸軍部隊に海兵任務を与えて運用する方式をとる。だから笑える話がいっぱいある、たとえばイギリス海軍はいまでも豪華客船をいっぱい持ってたりする。戦時に海兵任務の陸軍部隊を「ご機嫌」に輸送するためにだ(笑)。戦前の日本陸軍には「海戦隊」があった(笑)。海兵任務を海軍と共同で行うために必要だったからだ。ま、これは閑話休題。話を元に戻そうか。

これらの基本任務には番号どうりの優先順位がある。一番いいのは地上基地攻撃任務(フリートアゲインストシェアー)によって敵側の基地を順次、潰していき、艦隊を必要としない海域のを広げていくことだ。これを制海域(シーコントロールゾーン)という。次にいいのは地上基地防衛任務(フリートアゲインストフリート)によって、味方の基地をガッチリ守り、敵艦隊の侵入を防ぐことだ。これを行う海域を邀撃海域(シーディニアルゾーン)とよぶ。三番目は制海権を取れず、味方の基地周辺を邀撃海域(シーディニアルゾーン)にされてしまった場合は、SLOC(海上通商路)攻撃任務によって潜水艦・艦隊・および航空機を使い可能な限り敵の通行を阻止する戦略へ移行する。これが海上封鎖、もしくは通商破壊戦略と呼ばれるものだ。そして最後が、敵基地が海上封鎖する邀撃海域(シーディニアルゾーン)をSLOC(海上通商路)防衛任務によって通過することだ。敵基地を取れずに敵の艦隊を始めとする攻撃兵力のみを封鎖もしくは無力化することを制海権(シーコントロール)ではなく海上優勢(シースプレマシー)と呼ぶ。繰り返すが基地を取れなければ制海権(シーコントロール)は出来ないのよ。後で出てくる地政学における「内海理論」はこれに基づいて創られている。ま、基本的用語解説はこんなところか。

最近、考えたこと。Part0001-2へ続く。
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