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自分は「全日本卵でとじていないご当地カツ丼愛好家」として、そんなカツ丼を見つけては現地に食べに行くのが好きで、趣味の1つになっている。
釧路勤務していた頃、暇つぶしにインターネットでいろいろ調べていたら、岩手県にあんかけスタイルのご当地カツ丼があることが分かった。
ただ、それは今は合併して一関市になった旧千厩(せんまや)町の店で、ただでさえ広い岩手県を縦断して宮城県に接する地域まで行かなければならない。
ずっと食べてみたいと思っていたのだが、北海道から岩手県南部は航空路線もないし、列車で東京へ行くルートからも外れており非常に行きづらく、函館競馬観戦のついでに行くことはできないか考えたりもしたが、日曜定休の店でもありどうしても行けずにいた。
根室さんま祭りに参戦した9月20日土曜日は、旭川から根室に行くのに「北海道&東日本パス」を使って根室に行き、釧路に泊まった。
翌日曜日は市場が休みで魚の水揚げもなく、釧路にとどまっていてもしょうがない。
月曜日に有給休暇を取れば火曜日は秋分の日で祝日だから4連休になる。
岩手・千厩の店は日曜定休だが、電話で確認したら連休の谷間の平日は営業すると言う。
「北海道&東日本パス」は7日間有効だからまだ使えるし、JR北海道だけでなくJR東日本や第3セクターになった東北線の普通列車も乗れるから、岩手に行くのにも使える。
泊まっていた釧路から3日あれば「北海道&東日本パス」で岩手に行ってから旭川に帰って来ることもできるから、全然方向が違って強引ではあるが、根室に行くのに使ったきっぷでついでに行けるこの機会に岩手にカツ丼を食べに行ってしまうことに決めた。
日曜日に釧路を出発して苫小牧から夜行急行「はまなす」で車中泊して早朝青森に着いた9月21日月曜日、青森から「北海道&東日本パス」だけで乗れる列車だけで向かうと千厩に着くのは夕方になってしまうので、八戸から二戸まで1駅だけ別払いで新幹線でワープして、13:38に大船渡線の千厩駅に着き、15分ほど歩いて目指す店、「小角(こっかど)食堂」に到着。
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お昼の営業時間は14時までらしいが、列車の都合でぎりぎりになると伝えており、多少遅れても構わないとのことだったがぎりぎり14時には着けた。
それにしても遠かったな。
ここでは普通の卵とじのカツ丼を食べる場合に「玉子かつ丼」と頼まねばならず、ただ「カツ丼」と言えばあんかけカツ丼が出てくるから、早速名物の「かつ丼(850円)」を注文。
おおっ、これか。
キャベツを敷いたご飯にみたらし団子のようなあんが掛かったとんかつが乗っている。
どうしてこんなスタイルのカツ丼を出すようになったのかと言うと、卵とじのカツ丼はたれがご飯に染みてしまうのが嫌で嫌でたまらなかったおかみさんが、この地方で食べられている「すっぽこ」というあんかけうどんのあんをヒントに考案した「カツオ節やサバ節のだしに中濃ソースや醤油・砂糖などを加えて作ったもので、ご飯に染みないよう片栗粉できっちりとろみをつけている」ということだそうだ。
ともかく食べてみると、甘じょっぱい醤油味のあんのように見えたが、実際に食べてみたら醤油というよりは完全にソース味だ。
和風テイストのソースあん、と言えばいいだろうか、酸味があって見た印象とは違うが、このとろみの強いソース味のあんが絡んだとんかつが結構いける。
米は近くの農家から直接仕入れ、豚肉は隣町・藤沢町の「館ケ森アーク牧場」産だそうだ。
確かにしばらく食べ進んでもいつまで経ってもあんがご飯に全然染みない。
これはなかなか面白い。
完食したら、わざわざ旭川から食べに来てくれたからとコーヒーがサービスで出てきた。
写真では醤油味かと思ったら、実際はソース味であんかけカツ丼とはびっくりだが、千厩では「カツ丼を食べよう」と言えばこの「小角食堂のかつ丼」のことを言うそうで、提供しているのは1軒だけのオリジナルメニューだが、まぎれもなく「卵でとじていないご当地カツ丼」であった。
遠くてなかなか食べに来られなかったが、ようやく食べることができて満足である。
しかし、今回この千厩まで来るのに東北線から大船渡線に乗り換えた一ノ関で乗り継ぎ時間があったから途中下車して駅前の様子を見に出たら、駅前でこんなものを見つけてしまった。
また岩手に来なければならなくなった。
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