前回に引き続きまして、８月末の日記です。
今日は、８/３０の仙台・羅須地人協会の講座についてです。
羅須地人協会というのは、
かつて宮沢賢治さんが開いた私塾をモデルにしたものですが、
「教師と生徒の立場を固定しない、互いに教えあう、”共育”を理念とする」
「誰にでも教える。学年も卒業もない。」
「受講者は、好きなことだけを学ぶ。」
といったテーマがありまして、
毎回違う方が講師になり、毎回違うテーマの講座を開きます。
（会員の方を中心に、先生になったり生徒になったりしているようです）
講師の方は色々です。
大学で教鞭をとっておられる方もいらっしゃれば、
社会でバリバリ活動されてる方もいらっしゃいます。
ちなみに僕が前回聴いたのは、
『地域のコミュニティ・ネットワークデザイン〜マンションのコミュニティを考える〜』
と題しまして、
一般社団法人宮城県マンション管理士会 前会長 萩原孝次さんが講師でした。
受講者は、（誰でも自由参加です）、
「あ、この講座受けてみたいなぁ」
と思ったときだけ、参加して話を聞きます。
１回５００円（資料代）。
コーヒーも付きます(^^)
お菓子も持ち寄りなので、お菓子がもらえることもあります。
そして、
話を聞くだけではなく、
講義が終わった後には質問したりディスカッションもあります。
経済学の先生をやってらっしゃる方からも、
鋭い質問や解説があって、面白いです。
特に、今の法律や行政の実態ってどうなってんのか。
「なんで、今の法律はこうなってるんだろう？不便だなぁ。困るなぁ。」
そんな事例が、聴いていると随所にあるのです。
例えば、震災で全壊したマンションの処分。
「建て直す」というと、大体、１世帯あたりで１５００万円くらい掛かるそうです。
そうして、建て直すには、全世帯の５分の４の賛同が必要だとなっています。
「よし、１５００万円出して、建て直そう！！」
……という世帯がどれだけ居るか。
実際、全世帯の５分の４というのは、なかなか集まらないそうです。
では、「建物を壊して、土地も売る」としたらどうか。
……実を言うと、
最近までの法律では、
建物を壊した瞬間に、土地は全世帯の共有の持ち物となり、
「全世帯の承認がなければ、土地は売れない」
という現実があったそうです。
でも、行方不明の方や、相続人不明のケースなんかもあって、
全世帯の承認なんて、とても無理！！
……というのが実情だったようで。。。
結局、マンション管理士会なんかが一生懸命に行政とやりとりして、
法律は改正され、現在は全世帯の５分の４の承認があれば、土地を売れるようになったのですが。
なぜ、そんなことが起きたのか。
この法律を決めているのは、国土交通省です。
建設屋さんです。
どんどん作るのは賛成でも、マンションを壊してやめてしまう……なんてのは想定外だった、
もしくは、そういうケースは推奨したくないため、カバーしてなかった……という現実があるのです。
紹介したい例はまだまだあります（笑）
●マンションの地震保険判定。
壁のヒビ割れとか、よくありますよね。
実は、「壁」は対象になりません。
丈夫に作られて、めったに壊れることのない、「柱」と「梁（はり）」だけが対象なのです。
そして、それが事前に説明されることはほとんどありません。
（一戸建てなら、壁も対象になりますが）
●被災判定基準
「半壊」とか「全壊」とか、よく耳にしますが、
ことマンションに関しては、それを判断する基準が法律で定められていませんでした。
そのため、今回の震災では、各自治体が急遽、独自の基準を設けて対応した、という事実があります。
つまり、判断基準が、自治体によって違うのです。
仙台は部分的にでも、全壊の世帯があれば、マンション全体を「全壊」と認定する、ユルめの基準でしたし、
石巻は「２〜４階は全壊」「５階〜は半壊」といったように、世帯ごとに分けて認定していました。
そして、それを判断する人員は、建築の専門家だけではありません。
事務方……いわば素人の方がやっていたりする実態もあります。
上記のように、「マンションだけは対象外」というケースは色々とあるようです。
災害が起きたときに、
生活に必要な部分が壊れた場合は、応急修理してもらえる、”住宅応急修理制度”なんてのも、
個人の部屋の中ならよくても、
マンションの共用部分は適用外……という、意味のわからない状態がありました。
マンションの給水システムが壊れて、水が出ないというときに。
マンションの給水システム本体は、共用部分だから、修理できないと言うのです。
これも、管理組合が行政に掛け合って、
震災から５ヶ月経った８月に、改正されたらしいですけれども。
こういう話を聴いていると、
自分の生活は、実は色んな方の努力で形成されているのだなと改めて感じますし、
行政のやることに無関心ではいけないな、と考えさせられます。
震災を機に、より良い社会を目指し、
戦後からの現代社会を考える……というテーマも、
仙台・羅須地人協会の発足のきっかけと聞きましたが、
過去を振り返り、そこから学ぶことは大切だと、痛感しました。
そんな羅須地人協会講座、９月もやるようなので、
興味のある方はご一緒しましょう！
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営利企業から「社会的企業」へ
題目：「社会的企業としてのNPOについて」
講演者：増田 聡 (東北大学大学院教授)
日時：９月２７日(土) １４：００〜１６：００
場所：仙台北辰ビル４Ｆ 復興協同センター・仙台
(最寄駅は北四番丁駅、徒歩５分)
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