mixiユーザー(id:429476)

2014年02月25日15:01

13 view

歌舞伎 雪景色から早春へ

新しく出来た歌舞伎座タワーの5階には、歌舞伎座ギャラリーというプチ美術館があるのです。初めて知った、へぇ〜。
フォト

今回のテーマは、雪景色から早春へとのコトで、雪や早春に関係のある歌舞伎の演目の小道具や道具帳(舞台セットの絵)、衣装などが展示してありました。小さいけれど、結構楽しい。あと、屋上庭園がある。枝垂れ桜やこぶしのがあるので、花が咲くころに行くと良いんじゃないかなぁ〜とも思う。

フォト
庭園

フォト
庭園

屋上庭園には、歌舞伎座の瓦があったり、河竹黙阿弥の庭にあった燈籠があったり。何でも燈籠は、黙阿弥が本所南二葉町にいたころ、その庭にあったものらしい。どういう経緯で、歌舞伎座にあるんだろう?関東大震災で倒壊して、竿の部分と宝珠の部分に継ぎ目がある(修復の跡)があるんだそうな。私が目が悪いからかも知れんが、私には、そんなにはっきりは分からなかったが。

フォト
屋根のところの瓦
フォト
河竹黙阿弥の庭の燈籠

中の展示。
道具帳が楽しい。ようは舞台セットのイラストなのだが。指示のようなものが描いてあったりする。
仮名手本忠臣蔵の第九段目と十一段目の道具帳があった。十一段目は一面の雪。吉良邸の雪の門だ。

あと、お蕎麦屋さんもあった。コレは小道具ではないよな(^_^;)。ようは、屋台の蕎麦屋。屋台といっても、この当時は、屋根もなく、天秤棒のようなものを担いで商いしていたのだが。

歌舞伎の雪景色の時に、雪を降らせる雪籠というのがあるのだが、それは体験をさせてくれた。籠が天井の方に2つぶら下がっていて、それにロープが付いていて、それを上下に引くと籠がゆすられ、中に入ってる雪(和紙を四角く切ったモノ)が落ちて来る(降って来る)という仕掛け。
今でも、人力でこれはやっているそうです。
あと、係りの人に訊いたら、雪は和紙で出来てるが、演目の雰囲気に合わせて素材を変えたり、大きさを変えたりする・・とのコトだった。へぇ〜。そして、これを見ながら「ジグザグジギーの宮澤氏は、これを作る会社の跡取り息子なんだ・・・」と思ったことは言うまでもない!(笑) 学習院出のお坊ちゃま宮澤氏。

雪のシーンでは、下に白い布が敷かれており、これを雪布というらしい。布自体は、白い地絣って説明書きに書いてあった。
で、雪のシーンでは、黒衣ではなく雪衣が出るコトもあると。黒じゃ目立っちゃうもんな(^_^;)。

前述通り、歌舞伎の演目の衣装や小道具もある。
『廓文章』の衣装が恰好良い。これ、芝居の中では、伊左衛門が着るこの服は、紙の服・・・と言う設定になっていたが、衣装は布だった(当たり前か)。文字が書いてある服って、ちょっと特攻服を思わせるよね(笑)。紫縮緬黒縮緬文字散し縫紙衣仕立着付という名前らしいぞ、この服。名前長いなっ!

あと、面白かったのは、このギャラリー舞台が作ってある。床の檜板は、第4期歌舞伎座で長年使われていたものだそうな。リサイクルってコトなのだろうか。良く見ると、その板には、無数の穴があいている。何だろう?と思ったら、これは、大道具さんが釘を打った跡なんだそうな。確かに、黒い穴が無数にあいている。

この舞台で再現されていたのは、『仮名手本忠臣蔵 第十一段目』。雪の音を出す体験などが出来る。雪の音って何だよ?とお思いでしょうが、歌舞伎では雪がしんしんと降る様子を、太鼓の音で表現するのです。
結構大きい楽太鼓を雪バイ(バチのようなもの)で叩く。低いボンボンボンって音がする。雪がしんしんと重く降ってくるイメージだな。
あと、陣太鼓も展示してあった。それも叩かせてくれた。左手で陣太鼓を持って叩く。気分は、討ち入りする赤穂浪士!(笑)

あと、私が好きな『三人吉三巴白波』の大川端庚申塚の場の衣装や小道具もあった。模造刀とは思うが、小刀・・白鞘刀というらしい・・が恰好良かったな。あとは、お嬢吉三の衣装が綺麗。黒地に白と桃色の梅の花の模様。
この着物は、黒縮緬槍梅裾模様振袖着付というそうな。
因みに。お嬢吉三は、女性ではなく、美少年です。悪党の美少年が女装しているの。で、お坊吉三と付き合ってる設定ね。別にこれが大々的に描かれるワケではないが、そういう設定になっている。で、実は、この2人、昔生き別れた兄弟。近親相姦チックな設定にもなっている。
河竹黙阿弥は、おそらく、女装の美少年が好きなんだと思う。他の話でも、弁天小僧のように女装の美少年が良く出て来る。
パネルも展示してあったが、やはり、お嬢吉三が夜鷹を殺して百両奪い、そこで言う台詞は恰好良い。

月も朧(おぼろ)に 白魚の
篝(かがり)も霞(かす)む 春の空
冷てえ風も ほろ酔いに
心持ちよく うかうかと
浮かれ烏(からす)の ただ一羽
ねぐらへ帰る 川端で
竿(さお)の雫(しずく)か 濡れ手で粟(あわ)
思いがけなく 手に入る(いる)百両

ほんに今夜は 節分か
西の海より 川の中
落ちた夜鷹は 厄落とし
豆だくさんに 一文の
銭と違って 金包み
こいつぁ春から 縁起がいいわえ

これ、『厄払い』と言われています。早春にやる演目だから、縁起良くしてるのかな?まぁ、夜鷹は殺されちゃってるんだケド(^_^;)。(でも、この殺された夜鷹によって、厄落としがなされた・・という発想なんだ)

あと、これまた私が好きな演目『妹背山婦女庭訓 吉野川』がの小道具と衣装もあった。
これ、雛人形が重要ポイントになる話なのだが、その雛人形も飾られてた。これ、悲しい話なんだよなぁ。雛鳥は、好きな男久我之助の為に、久我之助は好きな女雛鳥の為に、命を落とす。家同士が仲悪い設定なので、日本版ロミオとジュリエットとも言われたりする。
衣装は雛鳥の衣装が展示してあった。朱色が鮮やか。そして、妹背山〜の道具帳が楽しかった。『フスマの出入り』など、指示がまわりに書き込まれている。

他にも、羽子板や扇の展示などもありました。羽子板の羽根ってデカイな!舞台だから、わざと大きく作ってあるのかしらん?

この展示内容は、3月2日までです。

あと、新しくなった歌舞伎座の舞台を1分見られる・・という特典がついたので、折角なので見てみた。まだ、新歌舞伎座では歌舞伎を見ていないのですが、一幕見(当日券)の席の後ろの窓から覗けるようになっていた。新歌舞伎座にもちゃんと一幕見席があって良かった。歌舞伎って高いんですもの・・・。一幕見なら、800円〜2000円くらいで見られるし。好きな場面だけ見られるしね。但し、4階席になるから、舞台は遠いケドな!係員の人曰く「一幕見の席。午前中はもっと人が沢山いた」そうな。

お土産にお茶を買った。しかし、歌舞伎座のお土産売り場って凄いね(^_^;)。お客さんも沢山いたが、もう、いたるところに土産物屋。
思わず、10本指ソックスも買ってしまった。ふくろうの絵が描いてあって楽しい。ピラティスに履いて行きます。歌舞伎座って、1日遊べますよね。

歌舞伎座ギャラリーのHP↓
http://www.shochiku.co.jp/play/kabukiza/gallery/
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2014年02月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
232425262728