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2013年07月28日19:27

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松竹大歌舞伎 市川亀治郎改め四代目 市川猿之助襲名披露

『松竹大歌舞伎 市川亀治郎改め四代目 市川猿之助襲名披露』に行きました。
フォト

地元開催の為、母と母の友達も一緒。
そして、前から2列目のド真ん中で見る。もう、こんな良い席で、歌舞伎を見るコトは、私にはないだろう。今回は、自分で指定して買ったので、緊張しないで見られました(笑)。カンバーバッチさんの時は、予期せず、2列目ど真ん中(実際は、1列目のど真ん中だったが・・・)だったので、お腹痛い、痛い(^_^;)。

歌舞伎座ではなく、会館でやる歌舞伎なので、値段が一律なのですね。なので、どの席取っても値段が同じなので、前の席が取れました。だってさぁ〜、歌舞伎座や演舞場だとさぁ〜、桟敷席(S席)2万円とか、したりするじゃ〜ん。買えませんよぉ〜。安いお笑いライブなら、その値段で、20回見られますよぉ〜。まぁ、仕方ないんだケド・・・。

今回は、亀治郎さんが、猿之助さんを襲名した記念公演なので、口上もありました。おめでたい公演だからか、演目も、義経千本桜と毛抜という、華やかな演目だったな・・と。

義経千本桜に猿之助さんが出て、狐忠信を演じたのだが、凄かったです。欄干走りや、早変わり、くるくるくるくる回る狐忠信とか。あと、狐忠信が可愛過ぎる!私、この演目大好きなんですケドね。狐が出て来て、義経出て来るから。

毛抜では、弾正を右近さんがやってました。最初、美少年の秀太郎を笑也さんがやるのかと思ったら、春猿さんがやったのですが、色好みの弾正に迫られて、「ケッ!なんだ、このスケベオヤジ!」って言う感じで弾正を振るのは、春猿さんの方が良かったのかも(笑)。
右近さんの弾正さんも可愛かったので、今回は、可愛い特集でした。
弾正って、ようは、シティーハンターの冴羽獠だよね。エロおやじではあるけれど、決めるところはビシっと決めるって言う。

※以下、『松竹大歌舞伎 市川亀治郎改め四代目 市川猿之助襲名披露』の感想を書きます。ちょっと粗筋も書くので、これから見るので、あらすじを知りたくないよ〜って方は、ここから先を読まない方が無難かも。(でも、歌舞伎は、粗筋知ってても面白い芸能だとは思う)

それでは、ネタバレOKの方のみいらっしゃいまし〜。

『松竹大歌舞伎 市川亀治郎改め四代目 市川猿之助襲名披露』
会場:いちょうホール(大ホール)

※以下、お品書きです。
・義経千本桜 川連法眼の館の場
・四代目 市川猿之助襲名披露 口上
・歌舞伎十八番の内 毛抜

・義経千本桜 川連法眼の館の場。俳優名全部書くの大変だから、メインどころだけで良い?(^_^;)
佐藤四郎兵衛忠信・佐藤忠信実は源九郎狐・・・市川猿之助、静御前・・・市川門之助、源九郎判官義経・・・中村梅玉、亀井六郎重清・・・市川猿弥、駿河次郎清繁・・・市川弘太郎

ちょっとあらすじ。
頼朝に追われ、吉野の山中の館に逃れた義経。そこに、家臣の佐藤忠信が訪ねて来る。義経は、京都で別れた静御前の様子を聞くが、忠信は義経が何を言っているのか分からない。それもそのはず。忠信は、母親が病気で実家に帰っていたのだ。では、京都で静御前を預けた忠信は誰だったのか?と義経は訝しむ。静御前に聞くも、御前は「忠信ったら冗談ばっかり。一緒にいたではありませんか。」と言うばかり。しかし、静御前曰く「忠信の小袖の模様が、ちょっと違うかも?」と。義経は、忠信を詮議にかける為に、奥の間に連れて行く。忠信は身に覚えがないことで詮議を受けるのは納得いかないが、主君の命とあっては仕方ないので、奥の間に連行される。

義経は、静御前に、もう1人の忠信を詮議せよと申し渡す。静御前は、持っていた初音の鼓を叩くと、どこからともなく忠信が現れたことを思い出し、鼓を叩く。数回打ち鳴らすと、突如、忠信が現れる。静御前は、この忠信が、偽物だと感づき、義経から貰った短刀で偽忠信を刺そうとする。
忠信は、自分が偽物だとバレてしまったと知り、ひれ伏して自分の素性を白状する。

「昔・・・山奥に狐の親子がおりました。桓武天皇時代。村に雨が降らず、陰陽師が『1000年生きた雄狐の皮と雌狐の皮で鼓を作り、その鼓を打ち鳴らせば雨が降る』と託宣致しました。1000年生きた狐を捕まえ、鼓を作ったところ、陰陽師の言う通り、その鼓は雨を降らせ、農民は喜び、その鼓は、“初音の鼓”と呼ばれました。その初音の鼓の革は、私の母と父にございます。私はその鼓の革に使われた親狐の子にございます。」
子狐は、革になっても親に会いたいと思っていたが、その鼓は宮中に納められてしまい、近づくことが出来なくなった。しかし、今は、静御前が持っており、両親のそばにいられる。そう思い、忠信に化けたのだと。
しかし狐は「もう、義経様にご迷惑がかかりますし、本物の忠信様にもご迷惑がかかります。なので、私は、義経様から頂いた“源九郎”と言う名前をよすがに、山の古巣に帰ります。」と告げる。
しかし、父母恋しさのあまり、狐はなかなか鼓のそばから離れられない。狐は「鳥だって、親子の情愛はあるのに、人の言葉や情が解せる自分が、何の親孝行も出来なかった。何と情けないことだ」と舞をまって心情を訴える。

一瞬にしてかき消える狐。静御前は、あまりにも子狐が可哀想に思え、鼓を鳴らし、子狐を呼び戻そうとするも、鼓は鳴らなくなってしまう。義経は、その話を全て聞き、奥の間にいた本物の忠信も全て話を聞き、いたく感銘を受ける。義経は「私は、父義朝に親孝行も出来ず、兄頼朝からは命を狙われる。狐の情愛の方がよほど素晴らしいではないか。」と感服する。

と、鼓が鳴る。再び舞い戻る狐忠信。義経の前に平伏するも、義経は「オマエにこの初音の鼓をやろう。」と鼓を差し出す。狐は喜び狂喜乱舞。ぴょんぴょん跳ねまわり喜ぶ。と、鼓が鳴る。その鼓は、今夜この屋敷に夜討ちがあるという合図だった。狐忠信は「義経様。私が妖術で、夜討ちを撃退致します。」と言い、忠信は狐の妖術で、数多の夜討ちの敵を撃退する。

そんな話。

狐忠信がただただ可愛い(笑)。そして、本当に狐っぽい。子狐なので、ちょっと幼く演じてるのと、狐が喋る喋り方(語尾を早く行ったり、出の部分をゆっくり言ったりする)をするのが特徴。

ほぼアクロバットだよね?というコトをする猿之助さん。狐だから神出鬼没なのだが、階段から突如現れたり、天井からすらりと音もなく降りて来たり、欄干を座ったままちょこちょこ走ったり。初音の鼓を貰って嬉しくて、くるくる回るのとか、鼓をころころ転がすのとかがえらく可愛い。
あと、本物の忠信との1人2役なので、早変わりも見事だった。あっと言う間に変わる。引っこ抜きの衣装なのかな?と思うんだケド。(糸がついてて、その糸を引くと、着物がバラバラになる仕掛けのある着物があるの)

子狐が泣くところも可愛いし、悲しい。私の前の席に着流しのいかにも通っぽい兄さんがいたのだが、その兄さん、そのシーンでボロ泣きをしておった。確かにちょとうるっと来るよね。

あと、妖術で敵をあやつるところも面白い。これは操られてる役をやってる俳優が凄いのだが、トンボをきったり、エグザイルのようにくるくる回ったり。操ってる狐忠信の顔も可愛い。「へへっ」っ顔をする。手も狐の手なんだよね。最後には、狐忠信は、桜の木に登りポーズ。

狐の手から、人間の手にする細かい演技もあったんだね。私、今まで気づかなかった。ちょっと大変そうにゆっくり開くの。
あと、狐忠信の元結が狐耳っぽくて可愛い。あれ、わざとああ言う狐元結なんだろうな。
この話には、教訓があるらしく、人間は親子や兄弟でも争うのに、畜生であるはずの狐の方がよっぽど情愛が深いじゃないか・・と言う意味も入ってるそうな。

梅玉さんの義経さんは、落ち着いた重厚な義経さんだった。

・四代目 市川猿之助襲名披露 口上
市川右近、市川寿猿、市川笑三郎、市川門之助、中村梅玉、亀治郎改め市川猿之助、市川猿弥、市川弘太郎、市川春猿、市川笑也

猿之助さんの鑑定団のことを話す人もいれば、(笑三郎さんが話してたかな?)、先代の猿之助の襲名披露にも出席した重鎮もいる。
梅玉さんの、澤瀉屋さんの流れの説明も分かりやすかった。

猿之助さんの祝い幕。↓コレ
フォト

この祝い幕は、初代から四代の猿之助の隈取を重ねたものらしいのだが、猿之助さん「みたこともない隈取が出来上がり、しかも、赤、青、黄と、DNAと同じ色で、これからも猿之助のDNAを受け継いでいこうと思います。」と笑いを取りつつ、綺麗にまとめていました。
この祝い幕。福山雅治さんが贈ったものだそうな。猿之助さんと福山さんお友達なんだろうね。

後ろの襖が、オモダカの絵だったのは、屋号が澤瀉屋さんだからだよね。

・歌舞伎十八番の内 毛抜
粂寺弾正・・・市川右近、小野左衛門春道・・・市川猿弥、民部弟秀太郎・・・市川春猿、家老秦民部・・・市川猿三郎、小野左衛門息女錦の前・・・市川笑野、百姓万兵衛実は石原瀬平・・・市川猿四郎、家老八剣玄蕃・・・市川欣弥、腰元若菜・・・市川喜昇、腰元巻絹・・・市川笑三郎、小野春風・・・笑也

サックリ粗筋。平安時代。小野小町の子孫である、小野春道の館で騒動が起きていた。秦民部の弟秀太郎と、対立関係にある八剣玄蕃の息子数馬が刃をかわしていた。玄蕃と民部も出て来て一触即発となるが、別の事件が勃発。家宝の小野小町が書いた雨乞いの短冊が紛失してしまったのだ。そのきっかけとなった、春風は切腹しようとするも、父春道はそれを止め、短冊を探すよう命じる。

そんな折、文野豊秀の使いの粂寺弾正が屋敷にやってくる。豊秀とこの屋敷の息女の錦の前は、婚約しているのだが、錦の前は奇病に犯されていて、輿入れ出来ないと言うのだ。その奇病と言うのは、髪が逆立つ病気。錦の前が被っていた薄絹を取ると、おどろに髪の毛が逆立ってしまう。「こんな身では、輿入れが出来ない。」と嘆き悲しむ錦の前。

弾正は、当主の春道に会う為、屋敷内で待つこととする。待っていると、民部の弟秀太郎が煙草盆を持ってやってくる。待っている間、弾正が暇にならぬよう、秀太郎が相手をするように言われたのだが、実は弾正は大層な色好み。秀太郎の美少年っぷりが気に入り「馬の稽古をつけてやる。」と言って、秀太郎の手を取り、口説こうとする。秀太郎は、それを跳ね除け、怒って帰ってしまう。
弾正は「ふられてしまったな。面目ない。」と笑い、毛抜でヒゲを抜こうとすると、毛抜がひとりでに動き出す。驚く弾正。
そんな折、今度は、腰元の巻絹が錦の前がたてたお茶を持って来る。弾正、今度は巻絹の美貌に一目惚れ。ちょっとエッチな言葉で、、巻絹を口説こうとするが、やはり弾正は巻絹を怒らせ、振られてしまう。
弾正は「2人にたてつづけに振られたな。」と笑い、煙草を吹かす。しかし、銀の煙管は動かない。毛抜はやはり、勝手に動く。試しにと、小柄を鞘から出して置くと、小柄はひとりでに動き出す。弾正は考える。「毛抜は踊る。小柄も踊る。でも、煙管は踊らぬ・・・・。」

そんな折、春風の元に、百姓の万兵衛と名乗る男が来る。万兵衛は、妹小磯は春風の胤を宿していたのに、死んでしまった。それはオマエのせいだと春風をなじり、小磯を返せと無茶を言う。そこに弾正が現れる。弾正は、この諍いを諫めようとするも、玄蕃はそれには大反対。「そんな余計なコトをして、かえって事態が悪化したら、どうしてくれる。」と言うも、弾正は、万兵衛と対決。

弾正は、とある人に手紙を書き、「大事な妹の為だ。この手紙を持って、この人のところに行けば、妹は戻る。」と言う。そこにあった名前は閻魔大王。万兵衛は困り「あの世へ行くには、色々支度があるから」と、逃げようとすると、弾正は万兵衛を呼び止め、手裏剣を投げ、万兵衛を殺してしまう。「何故、万兵衛を殺した!」と玄蕃から責められるも、弾正は「あいつは、本物の万兵衛ではなく、小磯を殺した偽物だ。そいつの懐から、探してるものが出てくるはず。」と言う。偽万兵衛の懐の中から出て来たのは、紛失していた家宝の小野小町の短冊。
弾正は、このお家騒動の決着をつける!と言う。
まずは、錦の前の奇病の謎。錦の前がしていた笄を外すと、奇病はぴたりとおさまった。弾正が槍で天井を一刺しすると、天井から磁石を持った忍者が落ちて来る。
銀製だと思った笄は、実は鉄製。どうやら、何者かが、輿入れを妨害。お家騒動を企てたらしい。

弾正はやおら、玄蕃を切り捨てる。実は家老の玄蕃こそが、このお家騒動を仕掛け、お家乗っ取りを企てた張本人だったのだ。

そんな話。

この話、うっすらミステリ仕立てなんだよね(笑)。名探偵弾正なの(笑)。元々は長い芝居の1幕だったのが、人気があったらしく、ここだけ1本立てで演じられるようになったらしい。因みに毛抜は3幕で、鳴神が4幕なんだって。どっちも歌舞伎十八番。

しかし、いつも思うのは、どんな強力な磁石なんだよ!って言う(^_^;)。だって、忍者、天井にいるんだよ?それが、姫がつけてた笄に反応するって。よっぽどだよ?それ持ってたら、色んな鉄製品に引っ付いて、忍者が逆に危ねえだろう・・って思うんだケド(^_^;)。

因みに、弾正は、鉄の毛抜と小柄は動くのに、銀の煙管は動かない。で、見たら姫の笄も偽物の銀だったから気づいたってコトね。ちょっとコレ、説明がないと分かりにくいよね・・・。

そして、当時の粋が、女も男もイケて粋!ってのが良く分かる歌舞伎がコレだと思う。
弾正は、美人腰元の巻絹ちゃんだけではなく、美少年の秀太郎君も口説く。しかも、秀太郎君の方にベタベタ触る(笑)。最初、手を握るだけなんだケドね。
「馬の稽古や剣の稽古はなさってるでしょう?」と訊き、「剣の稽古はしてますが、馬の稽古はまだです。」と言うと、「じゃあ、馬の稽古をつけてあげる。」と言って、手を取って、後ろから、秀太郎君を抱きしめようとする。で、秀太郎君「何、このエロおやじ!ケッ!」って感じで怒って帰って行く。ギャグシーンなんだケドね。
しかし、美少年に振られたあと、美女にも手を出すあたり、ガッツがあるって言うか、懲りねえって言うか、ただのエロオヤジって言うか(^_^;)。

右近さんの弾正さんは、愛嬌があって可愛かったです。
前述通り、美少年を笑也さんがやるのかな?と思っていたら、春猿さんだったのですが、「何だコイツ」感は、春猿さんの方が上手いのかも知れない。春猿さん、バラエティ番組にも沢山出てるし(一時、オネエ芸能人扱いだったよね・笑)。リアクション上手いのかな?と。

そんな感じでした。お土産さんも出ていてにぎやか。あと、猿之助さんの追っかけさんも来ていたらしい。あのでかい写真を持っていた人は、きっと追っかけさんなのだろう。
パンフレットを買ったら、猿之助さんの襲名披露の様子が載っていたよ。
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