『ＮＨＫスペシャル　未解決事件　尼崎連続死体遺棄事件』

　グリコ森永事件、オウム真理教と続いた『未解決事件』の第三弾は尼崎連続死体遺棄事件です。前二者に較べるとえらいマイナーですけど、一人の女性に５つの家族が食い物にされ、７人が死亡、３人が行方不明。その他にも、不審な死に方をした人が多数。しかも、首謀者の女性は留置場で自殺したせいで、真相がさっぱり判明しないという沿革を列挙するだけでも、実に嫌な気分にさせられる事件です。
　これ、リアルタイムで見そうになったのですけど、ただでさえ気分の塞ぎがちな日曜の晩にそんなものを見てしまうと、翌日、絶対に出勤できないに決まっているので、とっさの防衛本能が働き５分ほどで視聴を打ち切ったのでした。ＮＨＫもなぜこんな時間に放送したのか（ＮＨＫスペシャルの時間枠だからしょうがないだろって、もちっと融通きかせろや！）。でもって、月曜の夜に録画を見たのですけど、実際、キツかったです。シャレにならんです。マイナーな事件のせいで、ろくに事前の知識がなかったものですから、ショックもひとしおです。
　角田美代子が些細な人間関係のすれ違いを利用して食いこみ、支配する手際がすごすぎて圧倒されます。あと、烏丸せつこは変わりすぎ。高村薫はこんなんで出てこなくていいから新作書きなさい、と言いたいところだけど、もうこの人は小説は書かないんでしょうな。