mixiユーザー(id:14438782)

2013年02月13日07:31

24 view

サンカ

 本当はそんな余裕はないはずなのだけれど、勘違いで礫川全次の『サンカ学入門』を図書館で借りてしまい、なんとなく目を通したらおもしろくて最後まで読んでしまった。

 サンカそのものについてはともかく、サンカについての言説というのは胡散臭い気がしていて、これまで敬しつつも遠ざけてきた。その予感はさしてズレてなかったというべきか、警察はサンカを犯罪者集団としてしか扱っていないし、作家はセンセーショナルで猟奇的な面をとりあげておもしろおかしく書き飛ばすし、知識人はそれぞれ自分たちの理想や願望(社会や制度に縛られない漂泊の民、とか)を勝手に押しつけるしで、なんだかひたすら混沌としているのであった。

 サンカというのは、あくまで権力の側が把握していない人々のいわば総称であって、基本的に山間部を移動しながら暮らしてはいるけれど、定住する人たちもいるし、生業もさまざまである。そうした人たちを一括りに扱うこと自体、そもそも無理なのだから、異民族とか先住民族とか、その出自を単一のものと考えることだって幻想にしかならない。
 逆に言えば、見る側にとってどうとでも解釈できる存在であり、サンカをどう解釈するかどうかは、その人の潜在的な願望に依存する部分が多そうではある。そういう意味では、サンカ論を読むことは(サンカについての知識を得るというより)論者の人となりを知るうえで貴重な手掛かりになる可能性が高い。
 そうまでして知りたい人物というのは、まったく思い浮かばないけれども。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2013年02月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728  

最近の日記

もっと見る